2019年の台風19号で被害を受けた宮城県丸森町の廻倉地区では、土砂崩れで住宅が流され3人が死亡し1人の行方が分かっていません。4人の名前が刻まれた鎮魂碑に、親族が花を供えて冥福を祈りました。

 土砂崩れで住宅が流された場所に設置された鎮魂の石碑。天野民子さんは、この場所で4人の親族を失いました。

 天野民子さん「(4人を)思い出したり、話しかけたりしながら、ここで2、3時間ぐらい過ごして満足して帰って行きます」

 あの日、地鳴りとともに母の大槻竹子さんと姉の利子さんが暮らす住宅を土石流が襲いました。

 近くの自宅から避難していた妹の小野正子さんと、夫の新一さんも家ごと土砂にのまれて流されました。今も正子さんの行方は分かっていません。

 天野さんは実家があった場所に建てられた鎮魂碑を、月に1回は訪れ実家を掃除するように周辺の草むしりをすると言います。

 天野民子さん「定期的に足を運んでくださってる方もいるので、姉とか母とかみんな、慕われてたんだなと思います」

 妹が見つかっていないのが一番の心残りだという天野さん。妹への思いは3年経った今も変わりません。