東日本大震災当時に小学生や高校生だった若い人たちが、震災の体験を語る講演会が仙台市青葉区で開かれました。

 「あの日を語ろう未来を語ろう」と題した講演会では震災当時に小学生や高校生で、現在語り部として活動している3人が震災の体験を話しました。

 当時、宮城県東松島市の小学5年生だった雁部那由多さんは、学校の昇降口近くで津波に巻き込まれ、わずか数メートルの違いで自身は助かり、近くにいた大人が犠牲になった状況を語りました。

 震災時小学5年生だった雁部那由多さん「私自身はたまたま数メートル離れたところにいて、偶然にも開けていた扉に(校舎内に)水の勢いで押し込まれたから助かったんですが、大人の人は数メートル離れたところ(校舎外)で、捕まる所も無かったからその場で流されてしまったということです。大人の人たちは亡くなりました。5人まとめて。その第一発見者は私です」

 来場者「あの人たちが、語り続けていける最後の世代だと思うんですよ。なのでご自分の記憶とか体験が失われないうちに、語りを続けてほしいなと思いました」

 震災の津波で当時小学6年生の娘を失い、この後援会のナビゲータを務めた佐藤敏郎さんは、若い人の多くが大人が思う以上に語りの場を求めていると話します。

 佐藤敏郎さん「語ってもいいですよ、語らなくてもいいですよっていう、そういう空気みたいなものを作っていけたらなって思っています」

 この若い語り部や佐藤さんによると、当時は幼くて上手く言葉にできなかった、あるいはショックが大きすぎて話せなかった世代が経験を語り始めていて、オンラインの交流を中心に、その輪は全国に広がりつつあるということです。