約3年前に心臓移植を受けた京都府の高校生、移植医療の希望と一生向き合い続ける現実、受け継がれた命とともに生きる日々です。

 京都府に住む中園瑛心さん(15)は自転車と電車、徒歩で約1時間かけて高校に通っています。学校で友達とともに学べる時間は、瑛心さんにとって特別な時間です。
 中園瑛心さん「小学校人生の半分くらい入院で奪われたので、本当に早く学校に行きたいって思っていました毎日」

 「おはようございます。中園瑛心です。よろしくお願いします」
 瑛心さんは、9歳の時に心臓の筋肉が薄くなりポンプ機能が低下する拡張型心筋症と診断され、助かる道は心臓移植のみと告げられました。

 補助人工心臓を装着し命をつなぎながら移植を待つ日々が始まりました。15歳未満の子どもからの臓器提供が可能になった2010年以降、国内における小児の心臓移植は徐々に増加していたもののコロナ禍で大幅に減少し、瑛心さんの待期期間は3年半を超えていました。
 中園瑛心さん「移植して家に帰って学校に行ったりして、みんなと勉強したい。お姉ちゃんと妹と遊びたいし、家族で一緒にご飯食べたりとかしたいです」
 学校に通うことや家族でご飯を食べること、当たり前の毎日を願う日々でした。

 2023年にドナーが現れ、ついに移植にたどり着きました。
 中園瑛心さん「もう元気でうれしい。その一言かな。何かここの鼓動がドキドキが感じやすくなって。元気に動いてるねえって思った。ドナーさんには元気な心臓をくれてありがとうって。自分はちゃんと生きてるよって」

 現在、心臓移植を待つ15歳未満の子どもは82人。子どもは体が小さく適合する心臓が限られ対応できる病院も少なく、更にドナーの提供自体も少ないため、移植は進みにくい現状があります。
 移植を終えた瑛心さんを待っていたのはリハビリです。長期の入院生活で筋力が低下し、歩くことから取り組みます。

 移植から3年が経ち、身長が30センチ以上伸びて162センチになりました。
 中園瑛心さん「楽しいです。中学の時からやってたんですけど、特にスマッシュを打てた時がとても楽しくて」
 高校1年生になった瑛心さんは部活で週4日、1日2時間テニスコートを駆け回っています。
 中園瑛心さん「動くと心臓がドキドキして、一緒にいられているなという気持ちになります。全国大会に出場してベスト4に行きたいです」

 家族と一緒にご飯を食べたい移植前に願っていたその夢は今、日常になりました。
 姉・中園若愛さん「前よりにぎやかになったし、騒がしくなっていらんことして怒鳴られてますけど。帰って来てくれて、にぎやかな生活が戻ってきたのはありがたいことやなって思います」
 母親・中園みどりさん「当たり前が当たり前じゃないっていうことを改めて瑛心が入院したことで思ったので、こうやって家族が一緒にご飯を囲むって大病しなければ感じなかったことなのでこうやって食べれてるって幸せなことだなって思います」

 生活する上でいくつか決まり事があります。刺身や生卵など生の食品は、感染症予防のため食べることができません。心臓を守るための薬は一生、飲み続ける必要があります。
 それでも受け継いだ命と共に、瑛心さんはこの心臓で生きていきます。
 中園瑛心さん「ドナーさんが体の中にいることを毎日感じながら、部活も勉強も頑張っていつか将来の夢をかなえて幸せな家庭を持って、そして長生きしていって最後までドナーさんの気持ちを考えて生活していきたいです」