新型コロナの感染者数の高止まりが続く中、高齢者を中心に亡くなる患者も増えています。死者数が急増する理由と、もしも感染した場合に重症化を防ぐには何が大切なのか専門家に聞きました。

 新型コロナ患者の死者数は第8波に入り増加傾向が続いていて、12月の1カ月だけで211人、1月は12日までに73人と12月を上回るペースで増え続けています。

 感染症が専門の長崎大学大学院の森内浩幸教授は、死者数が急増している理由として、現在も感染の主流となっているオミクロン株BA.5の感染力の強さを挙げています。

 森内浩幸教授「問題は、今の新型コロナウイルスの感染拡大が半端じゃないということです。他の風邪の流行やインフルエンザの流行がこの規模で起こることはかつてなかったわけですので、その分だけ分母の数が広い、大きいので、その分子の数となる重症化して命に関わる人が増えてしまう」

 ワクチンを接種していても感染してしまった場合、まず何に気をつけるべきなのでしょうか。

 森内浩幸教授「リスクが高い人が感染した場合には、一刻も早くその診断を受けて重症化を防ぐための薬を使うという選択肢をきちんと使っていただきたいと思っています」

 発熱など体調の悪化を放置せず早い段階でコロナと診断し、ウイルスが増えるのを防ぐ薬で治療をすることが重症化を防ぐ鍵となります。

 現在流行しているオミクロン株BA.5では、毒性が高いデルタ株の時に見られた肺炎の悪化による死亡ではなく、持病の悪化によるものが多くを占めていて、以前からの診察を考慮した治療が重要になると話します。

 森内浩幸教授「それまで1回も診たことの無い人が、コロナの病院がここだからということで運ばれてきても、もともとの持病に対する治療管理がきちんとできない恐れがありますので、むしろ今は普段からその人を診ている人が普段の病気管理をしっかり行うこと。一番命を救う上でも大事だと思います

 森内教授は今後の感染状況の見通しについて、アメリカで急速に感染が広がるXBBなど、オミクロン株BA.5より感染力が強い変異株が国内で拡大した場合、更に爆発的に感染者が増えると注意を促しています。