2021年11月、宮城県登米市の認定こども園に包丁を持って侵入し職員を刺そうとしたとして、殺人未遂の罪に問われている男の裁判で、検察側は懲役8年を求刑しました。

 登米市の無職、大槻渉被告(32)は2021年11月、登米市の認定こども園に侵入し、男性保育士の胸を包丁で刺そうとしたとして殺人未遂の罪などに問われています。

 大槻被告は、犯行の1カ月前ごろには「殺せ」という幻聴が聞こえるようになり、鑑定留置で解離性障害と診断されています。

 19日の裁判で検察側は「園児を殺害するという当初の目的と違い、犯行に邪魔な男性保育士を殺そうと考えるなど状況に応じて判断していて、責任能力はある」と指摘し、その上で「死刑になりたいという理由で、抵抗できない子どもを狙い、殺傷能力の高い包丁を選ぶなど計画性も認められる」として、懲役8年を求刑しました。

 一方、弁護側は「大槻被告は解離性障害の影響を受け犯行に及んでいて、責任能力は限定的だ」と主張し、減軽を求めました。

 判決は25日に言い渡されます。