2022年に静岡県で発生した園児のバス置き去り死亡事故を受け、国が幼稚園などの送迎バスに置き去りを防ぐ安全装置を付けるよう義務づけてから約2カ月です。仙台市若林区の幼稚園でも安全装置を導入し、子どもの安全を守る取り組みが始まっています。

 29日朝、若林区のドリーム幼稚園に園児を乗せたバスが次々に到着しました。

 園児を降ろすと、車内に園児が置き去りになっていないか職員たちが目で見て確認します。その間、車内には音声が流れました。

 「車内点検を行ってください。子どもは残っていませんか」

 この安全装置はバスのエンジンを止めて鍵を抜くと、車内に音声を流して注意を促します。

 点検後、車内後方にあるボタンを押せば音声は止まりますが、10分を超えてそのままにすると、バスの外にまで聞こえる警報が鳴る仕組みです。

 「車内点検が完了していません。車内に取り残された人がいないか確認し、点検ボタンを押して下さい」

 ドリーム幼稚園では、送り迎えのバス5台に安全装置を付けました。設置費用の一部は国の補助金で賄います。

 ドリーム幼稚園末屋保広園長「以前から運転手、添乗者がしっかり目視をして忘れ物が無いか子どもはいないかチェックはしている。(安全装置を)いち早くつければ、保護者の方々が安心感が広がるかなと考えました」

 国は、4月から幼稚園のほか認定こども園や保育所などを対象に安全装置の取り付けを義務化し、熱中症のリスクが高まる6月末までに設置するよう呼び掛けていて、6月中に全国での設置状況を調べることにしています。