宮城県が主導する仙台医療圏4病院の再編構想について、khbが県に日本赤十字社などと協議した過程の資料を情報公開請求したところ、ほぼ黒塗りで開示されました。再編に反対している市民団体は「情報を十分に開示しない県の姿勢が、患者らの不信を生んでいる」と批判しています。

 khbが仙台医療圏の4病院再編に関する文書として情報公開請求し開示された文書は、941枚の文書のうち431枚が不開示でした。開示された文書も、協議内容についてはほぼ全てが塗りつぶされていました。

 2022年2月に県が東北労災病院と県立精神医療センターの合築について、東北労災病院を運営する法人と打ち合わせをした時の文書です。

 意見交換の内容は全て塗りつぶされ、何が話し合われたのかうかがい知ることもできません。

 ほぼ全ての協議内容を開示しない理由について、県の担当課では「開示すれば自由に意見交換ができなくなる」と話します。

 県保健福祉部遠藤圭医療政策課長「相手方の事情でありましたり、自由にいろいろな協議、意見交換をする上で支障になるような部分が黒塗りの所ということで理解いただければと思います」

 4病院の再編に反対する団体の代表は、元々構想に無理があるので協議が進捗しないと指摘します。

 新里宏ニ弁護士「これほど(情報を)クローズにしているのに進まないですよね。(情報を)オープンにしたら進まないのではなく、構想自体に問題あるから進まない」

 その上で「情報を十分に公開しない県の姿勢が、患者らの不信を生んでいる」と批判します。

 新里宏ニ弁護士「県立病院の問題なのだから、情報を県民に出すのは筋。それが全然出て来ないので(患者ら)みんなが怒っている。何でこれだけ自分たちに必要な情報が出て来ないのだろうかと。そうしたら情報公開でも同じことが繰り返されている。そういう意味では県側の徹底的な県民への情報を開示しないという方針が示されている」

 県の担当課では「4病院再編をめぐる情報については、これまで同様出せるタイミングを捉え出していきたい」としています。