東京電力福島第一原発から処理水が放出された後、中国からとみられる迷惑電話が数多くかかってきていますが、宮城県大崎市の「フクシマ」という名前が付いて鮮魚店にも、同様の電話がかかってきていたことが分かりました。

 鮮度の良さで地元の人たちに親しまれている、大崎市古川の福島魚店です。

 定休日だった30日、中国から発信されたとみられる電話が2件あり、留守番電話が残されていました。

 「ジャパン日本ジャパン。死ね死ね死ね」 電話は、片言の日本語で罵声を浴びせた後、切られていました。

 福島魚店井上政子さん「まさかとは思いましたが、中国語の全然分からないような言葉で、若干日本語で死ねなども中国語で頻繁に言われて大変びっくりしました。福島魚店という店名なのでそれでかかってきたのかなと」

 処理水の海洋放出に反発を強める中国を訪れていた人に、現地の反応を聞きました。

「処理水放出をどう考えてるというのは聞かれたことはありますけど。話を合わせる形で深く触れないようにして。領事館から日本語であまり話さないようにっていう勧告は来ているのでそこは気を付けるようにはしてました」「処理水の放出について友達からもちょっと聞いたけど、あまり文句とかもないと思います。(中国の友達から)逆に中国での生活とか大丈夫かと心配されて」

 処理水の放出後、日本の関係機関に対して嫌がらせが相次いでいることから外務省は中国に渡航する人に対して注意を呼び掛けています。

 処理水の海洋放出による水産業への被害状況を把握しようと、宮城県石巻市の斎藤正美市長が水産関係者と意見を交わしました。補助金などの必要な支援を国に求める考えです。

 1日午後に石巻魚市場を訪れた斎藤正美市長は、水産加工業者などから処理水放出の影響について聞き取りました。

 出席した事業者からは、石巻市の水産加工会社の多くが売り上げが下がったり、過剰な在庫を抱えたりしているとして、産業を維持するための支援策を国に働き掛けてほしいと訴えました。

 石巻魚市場買受人協同組合布施三郎理事長「従業員に対して不安を払しょくしていかないと、我々も笑って仕事ができない。我々の考え方を中央に行って訴えてもらいたい」

 斎藤正美石巻市長「(国に)今の現状を訴えて、石巻市ならではの取り組みをしっかりと認識していただいて、それに対する手厚い助成制度、補助金等を支援いただければと思っております」