新型コロナの感染者数は、なぜ急増しているのでしょうか。専門家は、原因の1つとしてオミクロン株の新たなタイプであるEG.5の流行を挙げています。
長崎大学大学院森内浩幸教授「XBBの色々なタイプのものが主流を占めていたんですが、日本を含めて多くの国々で今はEG.5が主流となっています」
感染症に詳しい長崎大学大学院の森内浩幸教授は、この夏の感染の広がりについて、新たな変異株EG.5の存在を指摘します。
EG.5は、オミクロン株の新たなタイプで感染力が比較的高く免疫を逃れやすいことから、WHO=世界保健機関が7月9日、警戒が必要な注目すべき変異株に指定しました。
長崎大学大学院森内浩幸教授「今分かっている範囲では、特に重症化しやすくなったということではないようです。ただ、変異したために、これまでの免疫から逃れる力は持っているようです」
宮城県でも広がりを見せていて、感染者から採取した検体を詳しく分析した県のゲノム解析では、7月時点で約3割のウイルスがEG.5に置き換わっています。
森内教授は、置き換わりが進むにつれて今後更に感染が拡大する可能性があるとしたうえで、高齢者など重症化リスクが高い人に感染を広げない対策が重要と話します。
長崎大学大学院森内浩幸教授「これまで通り、私たちは重症化のリスクがある人を守っていく、そういう人たちが多くいる介護施設や病院でのクラスターは避けた方が良いので、そこでの感染予防対策はしっかりやる。そういうリスクの高い人に会う時はやはりきちんとマスクを着用したり、手洗いもきちんと行う。そして、その前には、できるだけ感染しやすい状況に身を置かないということが大事だと思います」
森内教授は、ウイルスが変異するとワクチンや感染によってこれまで獲得した免疫をかいくぐるため、これまでにかかった人でも繰り返し感染する可能性はあり注意してほしいと話していました。