宮城県の県立高校女性教諭がパワハラを苦に自殺した問題について、女性教諭の両親が初めて会見を開き、加害側の処分について「事実認定が不十分で、適正な処分と言えるか疑問」と話しました。

 「これから教務の仕事は一切お願いしません」「不愉快ですので教務部会にも出ないでください」

 県立高校に勤務していた30代女性教諭が、同じ学校の主任だった男性教諭から十数回にわたって受け取ったメモの一部です。

 女性を心理的に追い詰めるような、厳しい言葉の数々が並んでいます。メモを受け取った翌日、女性教諭は自ら命を絶ちました。

 自殺した女性教諭の父親「娘が亡くなってから約半年。何が何だか、世の中は動いていますけれども何か大きな穴の中に入ってしまったような思いで過ごしていました。無念の一言です」

 パワハラが原因で自殺した女性教諭の両親が、13日に初めて開いた会見でつらい胸の内を明かしました。

 自殺した女性教諭の父親「成長する姿を楽しみに見ていたのに、娘は突然に亡くなってしまいました。学校が大好きだった娘は、この手紙がなければ娘は死ななかったと思っています」

 両親は、女性教諭を心配した同僚が当時の教頭に情報を伝えていたにもかかかわらず、加害側の男性教諭に忖度し適切な対応を取らなかったことが自殺につながった要因の一つだと指摘しました。

 その上で、男性教諭のパワハラをなぜ止められなかったかなど事実解明が不十分だとしています。

 自殺した女性教諭の父親「何よりもまだ真実が明らかになっていないと思いますので、真実を知りたいということが1つ。それから二度とこのようなことが起こらないようにしてほしいというのが、娘のことを無駄にしたいためにもですね、二度とこのようなことがないようにと思っております」

 県の教育委員会は、男性教諭のパワハラにより女性が自殺したと認定し男性を停職3カ月の懲戒処分としていますが、両親は、「事実認定が不十分で適正な処分と言えるか疑問」と話しています。

 自殺した女性教諭の父親「停職3カ月については、総合的に判断したと報道されていますが3カ月の軽い処分は娘に問題があったような誤解を与えるもので、とても遺憾」

 両親は、今後の対応については最終的な事故報告書を確認した上で検討したいとしています。

 県教委は「会見内容を把握していないため、コメントできない」と話しています。