宮城県大衡村での半導体工場の計画が白紙になったことについて、村井知事は台湾の半導体大手のPSMCが政府の補助金支出の条件を理由に挙げたと明らかにしました。

 台湾の半導体大手PSMCとネット金融大手のSBIホールディングスは、大衡村に半導体工場を建設し2027年から稼働させる予定でした。

 しかし、9月27日にSBIホールディングスは、PSMCから日本国内での半導体製造事業に対応していくことが困難になったとの通知を受けたとして、共同事業を解消すると発表しました。

 1日の宮城県議会の一般質問で、PSMCの提携解消の経緯について問われた村井知事は、SBIからの情報として次のように述べました。

 村井知事「今回の半導体工場建設は政府の補助金交付を条件としており、両者で真摯な協議を重ねてきたとのことでした。しかしながら、事業の運営責任に関する協議が最終的に整わず、PSMCの要請で共同での事業を断念したとのことでした」

 村井知事は、補助金交付の要件だった10年以上の継続生産や供給能力の維持と強化のための投資などに、PSMCが難色を示したことが撤退の理由だったと明らかにしました。

 村井知事「海外の企業は色々ルールが違うので簡単にはいかない部分もあるが、これで駄目なのではなく1つの教訓として次にチャレンジしていかないといけないと思っております」

 PSMC撤退の理由となった、補助金が出る条件です。半導体生産を10年以上継続することや、生産能力の維持と強化のための継続的な投資などが求められています。

 10年以上の生産継続については、PSMCがSBIに「それは難しい」と応じたと、村井知事が明らかにしています。

 村井知事は「半導体に巨額の予算をつぎ込むことに国内では批判もある。厳しい条件は致し方ない」「外資系企業が税金を使って1年2年で撤退しましたでは、国民は納得しない」と話しています。

 宮城県は今後、 PSMCからも直接撤退の理由を聞く予定です。