18週ぶりに値下がりしたとはいえ、いまだ高止まりが続くコメの価格。首都圏のスーパーを取材すると、価格が安くなる兆しが見えてきました。
■18週ぶり価格↓も 飲食店は…
香ばしく音を立てて揚がる唐揚げ。おともはもちろん、炊きたてのごはん。ランチタイムににぎわうのは神奈川県藤沢市の定食屋さん。
かつてはごはんのおかわりが無料でしたが、店の入り口には悲しいお知らせが。
コメの高騰にも耐えてきましたが、先月ついに無料サービスを終了しました。
80代の人 「しょうがない。お米高いんだから」
理由は3月以降の仕入れ値の急騰。
居酒屋ありがとう 高木尚輝店長 「(仕入れは)2週に1回くらい。だいたいこのストックが残り1袋ぐらいになったら頼む。(1袋)30キロ単位で頼んでいるが3000円くらいばっと上がった」
今ではおかわり100円、大盛りも100円増し、特盛りは200円。
取材中、おかわりを頼む声は聞こえませんでした。
20代の人 「いっぱい食べる学生さんとかだと、やっぱり無料のおかわりは偉大。(定食の)値段が変わらないのを考えたらしょうがない」
一方、全国のスーパーではコメの平均価格が18週ぶりに下がりました。
ただ、関東のスーパーに聞くと「価格は変わらない」「下がる気配がない」と店頭では、まだ反映されていないのが現実です。
■コメの価格“下落”の兆し
そんななか、埼玉県内のスーパーには明るい兆しが…。
スーパーマルサン 久喜店 小澤清さん 「本日、問屋から安い商品(コメ)の案内があった。5キロ=税抜き4000円以下で販売できる商品」
13日、店頭に並ぶブランド米はどれも5キロで税抜き4000円超え。
それが来週には4000円を切る価格で販売できるといいます。
スーパーマルサン 久喜店 小澤清さん 「非常に私も喜んでいます。最大MAXの商品を取りました」
その数、5キロ100袋以上。今後1、2週間は安い価格で販売できるといいます。
なぜ、急に仕入れ値が下がったのでしょうか。
スーパーマルサン 久喜店 小澤清さん 「備蓄米が出た。その分の影響があったのではないか」
価格が下がり始めた背景には「備蓄米効果」もあるのでしょうか。13日、大臣は…。
江藤農林水産大臣 「(備蓄米は)安いもので3000円を切るものもあります。これからさらに加速化させて行きたいと思う」
しかし、JAが落札した約くまでのスピードが課題となっています。
JA全中 「計画的には出ていると考えている。引き続き円滑な流通に取り組んでいきたい」
■高騰も コンビニおにぎり進化
備蓄米のさらなる効果が期待されるなか、注目されるのがコンビニのおにぎり。
ファミリーマートの売り場をのぞくと、目立つのは“のりなし”おにぎり。
例えば鮭のおにぎりは“のり有り”のものと比べると“のりなし”は約50円も価格が抑えられています。
ファミリーマートデリカ食品部 栗原栄員さん 「コメものりの価格も上がっていて、コストを調整するためにのりの使用量を減らしたりとか、できるだけ価格をおさえて販売できないか考えた商品」
のりを巻かず、中具や味付けで「白米感」を減らす工夫が。ラインナップも拡大し今や8品に。その結果。
ファミリーマートデリカ食品部 栗原栄員さん 「(おにぎりの売り上げは)今年3月の時点で前年比120%」
一方、ローソンでは売り場に異変が…。
冷凍おにぎりの価格は1個130円ほど。常温よりコストパフォーマンスも抜群だといいます。
ローソン製造管理部 松本茂部長 「常温おにぎりと異なり、一括で製造してストックできる効率的に製造ができるので、原価が通常のおにぎりと比べると約1割から2割安くすることが可能」
価格だけでなく冷凍は長期保存も効くうえ、食品ロスの削減などにもつながるそうです。
その存在を初めて知った客は…。
客 「あ、本当だ。知らなかった。安ければ安いほどうれしい」
冷凍おにぎりの販売店舗は400から1700店舗へと拡大しています。
そして、セブン-イレブンはおにぎりのサイズを大きめにしてボリューム感とお得感を打ち出しています。