男子児童4人がけがをしたひき逃げ事件で、事故直後の新たな防犯カメラの映像を入手。逃走ルートが見えてきました。
■高級SUV 発生直後に逃走か
厳戒態勢となっている、ひき逃げ現場周辺。
逃走したSUV。新たな防犯カメラの映像には、東京方面に向かう車が映されていました。
保護者 「けがしたお子さんのことを考えると、すごく胸が痛む」
埼玉県三郷市で男子児童4人がけがをしたひき逃げ事件。1人は剥離(はくり)骨折の疑いがあることが分かりました。
事故現場にいた人 「子どもが足から血を流して、そこに座らされていた」
事故直後の現場を映したドライブレコーダー。白いズボンの男が現れ、そして黒いズボンの男の姿も。ブロック塀にぶつかったことも分かりました。
もう一つのドライブレコーダー。事故を起こしたとみられるのは、イギリスの高級SUV「ランドローバー」。
先ほどの白いズボンの男が姿を見せ、両手を合わせて謝る素振りが見えます。
事故現場にいた人 「出てきて笑いながら『ごめん、ごめん』みたいな感じで話している。すごいことが起こったとは感じていないような言い方で『ごめんね』って言ってるなと思って、息子とちょっとおかしいねと。スキンヘッド、50代くらい」
この後“事故”は一転、“ひき逃げ事件”に変わる様子が映し出されています。再び車に乗った2人。そして、現場から逃走しました。
現場にいた児童 「ここは邪魔だから、違う場所に行くと言って逃げた。三郷中央駅みたいなことを言っていた。『ごめんね』と言った後、『移動するね』と言って逃げた」
“三郷中央駅方面に行く”と逃げた2人。行方は分かっていません。外国人のようだったという情報もあります。
現場に駆け付けた人 「お子さんの話によると、日本人ではない感じ」
現場にいた人 「言葉が最初通じないのかと思った。アジア系の顔の人は外国人でも日本人でも見分けがつかない」
■埼玉ひき逃げ“見えた逃走ルート”
ひき逃げ現場は、三郷ジャンクションから1.5キロほど。小学生およそ10人の列に車が突っ込み、4人がけがをしました。
ドラレコ提供者 「夫がまだ車に乗っていて(逃げた車の)真後ろにいたので、逃げられちゃいけないと思ったのか、夫が何も考えずに追い掛けた」
詳しい経路は分かっていませんが、ひき逃げをした車は住宅街を抜け、大通りである県道へ。
そこで撮られた映像です。急いでいたのか、大きくセンターラインをはみ出しながら左折します。そしてこの後、車は右折。細い路地に入り、突きあたりを左折したようにも見えます。取材を続けると、その先が見えてきました。
近くのデカ盛り唐揚げ店の防犯カメラに、逃げた車とみられるSUVが映っていました。
先ほど左折したドライブレコーダーの映像から、30秒ほど後。歩く小学生の横を走り抜ける、逃げた車とみられるSUV。急いでいるのか、停止することなく大通りを右折します。助手席には人影も見えます。この防犯カメラの映像は、警察にも提出されたそうです。
この道を真っ直ぐ行けば、東京・葛飾区へ。逃げた男が口走っていたという三郷中央駅もあります。
さらに、その先の防犯カメラにも東京方面に向かう似た車が映し出されています。この映像も警察が確認しに来たそうです。車は言葉通り、三郷中央駅に向かったのでしょうか。
事件から丸一日が過ぎようとしています。ここまで防犯カメラや証言がそろうなか、捜査はどうなっているのでしょうか。
元埼玉県警刑事 佐々木成三氏 「まもなく24時間ですけど、車が押収できていない、容疑者が特定できていないことは、車が保管場所に戻ってきていないということと、その所有者=運転者ということではないから、この初動捜査が時間を要している可能性はあるなと。例えば法人名義とか、他人名義とか、こういった可能性もある。この事故に関しては過失なのか故意なのかということに、過失の可能性が高いのかなと。脇見運転か、運転の技術の未熟か飲酒なのか、こういったものは捕まえてみないと分からない部分もある。ここで警察に呼ばれると、何か自分にとってデメリットがあるなかで現場から逃げるという判断をしたのかなと感じます」