宮城県警は15日、自転車の安全利用キャンペーンを宮城県で一斉に実施し、ヘルメットの着用などを呼び掛けました。

 このうち仙台市太白区の仙台西高校前では、通学時間帯に警察官や生徒らが反射材などを配布して、自転車の安全な利用を呼び掛けました。

 水を入れた風船を落として、ヘルメットの効果を確かめる実演も行われました。

 仙台西高校生徒会長日下部莉夢さん「これが自分の頭だったら、ぞっとするなと思いました。安全運転を心掛けることと、周りを考えて運転するということが一番重要だと感じました」

 しかし、努力義務であるヘルメットの着用は浸透していないのが現状です。

 宮城県警によりますと、2024年に宮城県で起きた自転車乗用中の事故で死傷した569人のうち、約8割がヘルメットを着用していなかったということです。

 仙台南警察署富田勲交通課長「自転車は、誰でも気軽に乗れる乗り物です。ただ、一歩間違えれば非常に大きな事故につながるのでヘルメットをしっかり着用利用していただきたいと考えております」

 自転車の安全利用について、なぜキャンペーンがこの時期に行われるのでしょうか。

 警察によると5月は自転車への理解を深める自転車月間に定められていて、宮城県警はこれに合わせて自転車を利用する人が多い高校生を対象に、安全利用の呼び掛けに力を入れているということです。

 そして、これからの時期は事故が増えるというデータもあります。

 警察庁が発表している高校生の自転車事故による死者と重傷者を月別に見てみると、4月になると大幅に増加し6月にかけても増えていくことが分かります。

 理由は様々ありますが、新学期で自転車に乗り始める人が増えることなどに要因があるとみられています。

 今回のキャンペーンで重点を置いて呼び掛けられていることが、ヘルメットの着用で、ただ着用するだけでは十分ではなく、正しく着用することが重要です。

 JAF=日本自動車連盟が行った実証実験では、ヘルメットのあごひもを締めないまま、自転車で高さ10センチの段差を乗り越えます。スピードに乗って段差に衝突すると乗り上げた際の衝撃でヘルメットが脱げ、地面に頭を打ち付けました。

 ヘルメットは、しっかりとあごひもを固定しないと事故の際のけがを軽減することができないことが分かります。

 自転車の安全運転につなげる動きがあります。2026年4月から自転車の交通違反に反則金の支払いを求める、いわゆる青切符による取り締まりが始まります。

 「携帯電話を使用しながらのながら運転は1万2000円」「信号無視や逆走は6000円」「傘をさしたりイヤホンをつけたままの運転は5000円」などです。反則金を納付しなければ、刑事罰の対象になります。

 正しくヘルメットを着用して交通ルールを守るなど、改めて自転車の安全運転について考えてみてください。