実は岡山県と青森県で1.4倍もの価格差があるというのです。一体、なぜなのでしょうか。

■コメ価格 地域差「1.4倍」

岡山県民 「高い。いつも買うのが高くて」

 と憤るのは岡山県民。

 先日、総務省が発表した最新の調査によりますと、コシヒカリ5キロの価格は岡山市が最も高い5396円だったのに対し、最も安かった青森県八戸市は3759円。その価格差は実に1.4倍です。

 一体なぜ、これほどの差が生まれるのでしょうか。それぞれの地域を調査すると、知られざる意外な事実が見えてきました。

■岡山のコメ なぜ高い?

 取材班が向かったのは岡山市のスーパー。棚に並ぶ主な銘柄米は、例えば岡山県産ひのひかりが4947円、無洗米の県内産コシヒカリが5379円など、5000円前後となっています。

買い物客 「5キロで4580円(税込み4947円)高いね」

グランドマート 岡本和恵取締役 「岡山のスーパーでは5キロ税抜き4980円が主流。一般家庭に届きにくいので企業努力をしている」

 近隣の相場より1割ほど安いといいます。

 なぜ岡山県のコメが高いのか聞いてみると…。

グランドマート 岡本和恵取締役 「西日本では“コメどころ”で関東圏や関西圏から買い付けがあったと聞いている」

 中国・四国地方ではコメの収穫量がトップの岡山県。「大阪府など大都市にコメが流出し、価格がつり上がったのでは」と推測します。

 しかし、高騰の理由はそれだけではありませんでした。県内の農家が驚きの事情を明かします。

山崎農園 山崎正人代表 「岡山は兼業農家が多いので、“縁故米”といって息子、娘、親戚にコメを配ったり、安価に販売する文化がある。要は近所の人や親戚に売っちゃう」

 2つ目の理由は知人や親戚などにコメを譲る、いわゆる“縁故米”です。

山崎農園 山崎正人代表 「(Q.スーパーでコメを買う文化は?)あんまりない。日本で一番(コメが)売れない。それだけ“縁故米”、おすそ分けが多い県」

 コメ不足で、これまで縁故米に頼っていた人がスーパーなどで購入せざるを得なくなり、不足に拍車が掛かったというのです。

地元の人 「秋に取れた時には知り合いから何俵か。1年に3俵くらい買う」 「コメが安い時は親戚から『あげようか』と言われ、良い銘柄を買うから『いらない』と言った。『今度はちょうだい』と言いにくい」

 ちなみに、この店…。

グランドマート 岡本和恵取締役 「岡山のコメが足りないというのと、青森のコメの原価が安いということで青森のコメを取り寄せた」

■最安値 八戸の理由は…

 そこで気になるのが全国一安い八戸市。

 市内のスーパーを見てみると、青森県産の「はれわたり」が3867円。店内で一番高い「青天の霹靂」が4083円。岡山市のスーパーで一番高かったコメと比べると、1000円以上も低い価格です。

市民 「(Q.コメは何を食べている?)はれわたり」 「まっしぐら」

 挙げたのは、どれも地元のコメ。つまり、地産地消です。

 八戸市内にある市場の担当者は…。

八食センター 大澤次郎店長 「地元のコメを県内で消費するという意識が強い。全国的に比べて安くなっているのでは」

 知名度が“高くない”ご当地米を扱う店が多く、輸送費もかからないため価格を安く抑えられているのではということです。