震度6弱の地震を受け、鹿児島県の悪石島から島外への避難を希望した13人が4日午後、鹿児島港に到着しました。

 午後、鹿児島港に1隻のフェリーが到着しました。

 このフェリーには3日に震度6弱の揺れを観測したトカラ列島・悪石島からの避難を希望する住民が乗っています。

 住民の島外避難が始まったのは10時間以上前のことでした。

 希望者の島外避難が始まっています。4日朝、島に着岸した十島村のフェリーに0歳から80歳までの13人が乗り込みました。

避難する島民 「家に1人だったので怖いし、いつどうなるか不安だったので」 「買い物して帰ってくるところだった。怖くて怖くて娘に抱き付いた。病気があるので怖い。早く収まってほしい」

 住民は89人。十島村は、まだ島内に残っている人に向けて避難の意思を確認しています。

 悪石島では4日も震度4の揺れを観測。島内唯一の学校は子どもたちのケアを優先し、臨時休校になっています。

 トカラ列島で地震活動が活発になってから2週間。4日午後5時までに、震度1以上の揺れは約1200回起きています。これほど連続した地震は過去に観測したことがないといいます。

 連続する地震は周辺の島にどのような影響を与えているのか。番組スタッフは悪石島から南西に40キロに位置する小宝島に降り立ち、現地を取材しました。

小宝島学園 松野浩三校長 「今のところ、この辺まで…」 「(Q.おとといの地震の影響?)はい、2日前の地震です」

 3日の地震で震度3の揺れを観測。2日には震度5弱の揺れも起きていた小宝島。学校の校庭には、その爪痕が残されていました。

小宝島学園 松野浩三校長 「広がってきているんですよね。しばらく校庭を使わないようにするが、この後どうするかは教育委員会、役場と話し合って対応したい。危険箇所なので、目立つようにはしているんですけど…」

 地割れは10メートルにもなるといいます。

 島の変化は校庭だけにとどまりません。

学校の寮を管理 齋藤星さん 「こんなところにも」 「(Q.これもそうですか?)広くなっている。ここは皆、通るし、唯一の自動販売機なので」

 さらに、住宅の倉庫には…。

学校の寮を管理 齋藤星さん 「多少、亀裂は入っていたとは思うが、ガッと広がった感じ」

 島内で拡大する被害に、学校の寮を管理する齋藤さんの懸念は大きくなっていました。

学校の寮を管理 齋藤星さん 「うちは子どもをいっぱい面倒をみているので、何かあったら保護者に申し訳ない。100%の安全を保証できない環境になっているので、本当は悪石島みたいに島外避難も自治体に動いてほしい」

 小宝島に暮らしているのは66人。過去の経験から災害の備えをしている人が多いといいます。

島民 「過去に何度も群発地震は震度5レベルがあったので、日頃から気を付けて、防災非常持ち出し袋を玄関に置いている」

 こちらの家庭では、寝袋や簡易トイレなどをすぐに持ち出せるようにしていました。

島民 「トイレの目隠しだったり、寒さ対策用に。我が家は子どもがいる関係で…」 「(Q.これは災害用の持ち出しリュック?)急きょ作った。(役場から)持ち出し袋をもらった時に子どもがいたので、これだけでは子どものセットとしては足りないと思って、作ったリュック」 「一番心配なことは、津波が一番怖い。何年か前同じところで地震があって夜、勤務していて11時くらい。警報がなって、すぐにテレビをつけたら津波到達とあったので、その津波が大きかったら自分は助かっていない」

 今回の連続する地震は震源が浅いため、もし津波が起きるとしたら、揺れの直後に襲ってくる可能性があります。

島民 「終わりが見込めないという気象庁の発表もあったので、そこでどう、個人の判断だが、どこまで耐えられるか」