仙台市長選挙は8月3日投開票です。仙台市にとって大きな課題となっている中心市街地の活性化について、専門家の話と4人の候補者の訴えを聞きました。

 仙台市長選挙には、届出順にいずれも無所属で現職で3選を目指す郡和子候補。新人で地域ラジオ局社長の野田紀子候補。新人で元自衛官の菅原武大候補。新人で元会社員の松本剛候補の4人が立候補しています。

 今回の市長選の争点の1つには、仙台市の中心市街地の活性化策が挙げられています。
 市民「(仙台駅前に)早く新たな施設ができて、人が集まる場所になってもらえればいいなと思う」「落ち着いた雰囲気のケヤキも利用して、きれいになってほしい」

 候補者4人が論戦を交わす仙台市長選挙、それぞれの訴えを聞きました。

 仙台市は新たな街づくりとして、老朽化したビルの建て替えを促し需要の高い新築のビルを整備するため建て替え費用の補助を行う、せんだい都心再構築プロジェクトを実施しています。他にも、街の魅力の底上げを図ろうと定禅寺通の歩道を拡幅し各種イベントに対応できるように再整備するなど、市中心部の活性化策を進めています。

 地域経済に詳しい東北大学の吉田浩教授は、中心市街地の活性化について観光客が過ごしやすい街はその街の住人の住み心地にも直結すると指摘しています。
 東北大学吉田浩教授「観光客にとって過ごしやすい街は、多分市民にとっても過ごしやすい街。JR仙台駅から国分町までの一連の通りを有機的に整備する計画が無いと、ポツンポツンとビルが建ってるということで、回遊できる街づくりが長く人々にとどまってもらうためには重要なことだと思う」

 吉田教授は、JR仙台駅前の旧さくら野ビルが2017年2月の閉店以来8年以上手つかずのままでこの場所の整備が経済的利益につながると話します。
 東北大学吉田浩教授「仙台市の顔になる場所にあるものですから、そこをビジネスで回せば大きな経済的利益が得られるのは、毎年見過ごされたままになってるってことは、潜在的な損が発生してるということだと思います。そういった意味では1つの個別の不動産の問題っていうよりは、かなり公共的な波及効果のある場所的にもですね、役割的にも重要なポジションだと思う」

 8月3日投開票の仙台市長選挙、現職と新人計4人の候補者は、中心市街地活性化に向けどのようなビジョンを描いているのでしょうか。

 郡和子候補「都心再構築プロジェクトも拡充しながら、早期に様々な取り組みが進んでいくように是非私どもも力を尽くしたい。東北の玄関口である仙台の初めて目にする、いわば顔でもあります。その顔となる(JR仙台駅)西口がにぎわいをもたらす施設になるよう、皆さんと街づくりの協議を進めてまいりたい」

 野田紀子候補「杜の都仙台のイメージを、仙台に降りて来られた方たちにさすが杜の都仙台だなと。JR仙台駅前は玄関口なので東口と西口ありますけど、やっぱりもうちょっと緑を増やしてそしてゆったりと座って、皆さんが集ったりできる場所をちゃんと造った方が良い。もっともっと緑を増やす、それは駅前だけじゃなくて色々な所でそういうふうにしたい」

 菅原武大候補「3食食べれる場所、24時間受け入れる体制ができる場所、あそこ空いているなら使ったらいいんじゃない。とりあえず今ラッキーだと思います。この立地条件で空いているなら。借りるためのお金がどれくらいか見当がつかないので、その辺は分からないですけど1階は食堂、人数が多ければ2階も食堂とかね。上は預かり所、小さい子から大きい子までと考えている」

 松本剛候補「私は空きテナントを有効に活用して、若い方や学生さんとか、アーティストが自分の好きなことをできるような交流の場にできれば良いと思っています。例えばですけどアーティストって言いましたけど、自分の書いた絵をそこで展示してみたり自分の好きな趣味で作ったものを販売してみたり、そういった趣味や自分の考え方を皆さんに知っていただけるような場所ができれば良いと思っています」

 仙台市長選は8月3日に投開票されます。