南海トラフ地震の「臨時情報」が初めて発表されてからまもなく1年が経過するのを前に、自治体や事業者などが取るべき防災対応を示した「ガイドライン」が改訂されました。

 去年8月8日、宮崎県で最大震度6弱を観測した日向灘が震源の地震が発生し、南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」が初めて発表されました。

 当時、「臨時情報」の発表期間がお盆休みと重なり、イベントの休止や新幹線の減速運転が行われるなど、防災対応を巡って混乱が発生しました。

 そのため、国は自治体や事業者などにアンケート調査を行って改善策を取りまとめ、「臨時情報」が発表された際に取るべき防災対応を示した「ガイドライン」を7日に改訂しました。

 新たな「ガイドライン」では、「巨大地震注意」が発表された場合でも鉄道事業者に対して運休や徐行といった運行規制を求めないこととしました。

 適切な防災対応を実施したうえで、イベントを含む社会活動を「できる限り継続することが望ましい」とも記されています。

 一方、「巨大地震警戒」が発表された際には、標高が海抜より低い「海抜ゼロメートル地帯」について1週間の避難が必要な「事前避難対象地域」への指定を自治体が検討することが有効だとしています。

 その他に、去年8月の臨時情報発表時の自治体や事業者が行った防災対応をまとめた「事例集」が新たに盛り込まれました。

 住民も含めて日頃から地域での意見交換や情報交換を行いながら、「臨時情報が発表された時の対応はあらかじめ決めておくことが極めて有効」と基本的な考えを示しています。