夏の甲子園を異例の大会中に辞退することを決めた広島県の広陵高校。なぜ2回戦を目前にしたタイミングでの判断となったのでしょうか。

■なぜ今?広陵“甲子園辞退”

広陵高校 堀正和校長 「選手は言葉にならない態度であったと聞いています」

 いわゆる「不祥事」で大会中に出場を辞退したのは夏の甲子園史上、初めてのことだといいます。

 1回戦に勝利し、2回戦を控えていた広島県の名門「広陵高校」。なぜ、このタイミングでの辞退になったのでしょうか。

日本高野連 寶馨会長 「できれば試合(1回戦)をする前に辞退になればよかったが、試合当日に新たなことが発覚した。試合はやらざるを得なかった」

■2つの“暴力事案”

 広陵野球部に浮上した2つの“暴力事案”。1つ目は今年1月、当時2年生の部員4人が1年生に暴力をふるったとして3月に高野連から厳重注意を受けていました。

 この情報が開幕直前にSNS上で拡散されましたが、大会本部は「出場の判断に変更はない」と発表。ところが…。

広陵高校 堀正和校長 「(甲子園で)1勝した後、別件が発覚しました」

 SNS上に「2023年に監督、コーチ、一部の部員による別の暴力があった」とする情報も投稿され、広がったのです。

広陵高校 堀正和校長 「広陵高校の炎上が、もう尋常じゃないと。教職員も多大な心配をして、生徒の命を守らなきゃいけない、その見地にも立ちました。何か隠蔽(いんぺい)的なものが発覚したり、新しい問題が出たからといったことは一切ありません。本当に苦渋の決断です」

 10日夜に開かれた保護者会には約250人が参加。中井監督も同席したそうです。

広陵高校 堀正和校長 「監督は『学校の理事長、校長を中心に運営をしていくことに協力してほしい』と(発言)。(保護者に)『何か質問があれば何でも申して下さい』と伝えたら、誰一人質問の手が上がらず、(保護者が)我々の意に同意をしてくれている様子がうかがえた」

 保護者会は約30分で終了。広陵高校は野球部内での指導体制に問題がなかったかなどを調べ、調査の間、監督は指導から外れるとしています。