「戦後80年」を迎えるなか、防衛体制の強化が進む九州・沖縄では、地域を越えて反戦の声を上げようと連携する動きが広がっています。
先月、新たに開設された陸上自衛隊の佐賀駐屯地。輸送機「オスプレイ」も配備されました。九州・沖縄で防衛体制の強化を進める「南西シフト」の一環です。
九州・沖縄にはここ10年で8カ所の駐屯地と分屯地が新設されています。
熊本からの参加者 「九州は関係ないという市民の意識があったと思うんです。それが急速に鹿児島、宮崎、大分、熊本、佐賀と広がって」
台湾有事への懸念も高まるなか、離島防衛の日米共同訓練も活発化しています。
石破茂総理 「南西地域の防衛強化を含む防衛力の抜本的強化、日米同盟の対処力の強化は抑止力を向上させ、我が国に対する武力攻撃そのものの可能性を低下させることにつながります」
防衛力の増強が際限なく進めば戦争につながる恐れがあるとして、県の垣根を越えた動きが始まっています。
今年2月に立ち上げられたのは「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」。各地の平和団体が情報を共有し協力しています。
沖縄・西日本ネットワーク 海北由希子共同代表 「戦力を保持しないと宣言した日本国憲法のもと、私たちの戦後は80年を迎えます。市民の共同の力で国家による戦争を止めます」
ネットワークの共同代表を務めるのは海北由希子さん。これまで、熊本県を拠点に自衛隊に対する申し入れなどを続けてきました。
海北由希子さん 「誰の命もなくしてほしくないから、戦争自体をなくしてほしい。軍拡をすることによってそれが実現できる、戦争抑止のための軍拡だという人もいますけど、戦争抑止のための軍拡は歯止めがかからないので他の方法を考えるしかないと思います」
この日は仲間とともに、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への侵攻に抗議するスタンディング。
戦後80年。しかし世界ではなお、戦火が絶えることはありません。
海北由希子さん 「もしかして1人で戦争を止めようとしてるんじゃないのと言われますけど、ダメなの?1人がやらなかったら誰もやらないだろう、そのぐらいの気持ちの人たちがそろったから、こうなっている。だからそういう気持ちでいいと思う」