記録的な暑さによる「猛暑インフレ」が家計を直撃しています。専門家の試算では、月に2万5000円負担が増えるという試算も。
■記録的な暑さ 影響は食卓へ
日中、35.3℃の猛暑日を記録した栃木県鹿沼市。大粒の雨が路面をたたいています。
栃木県那須塩原市では急に雷鳴がとどろいたといいます。
北茨城市ではひょうでしょうか、大きな白い粒をカメラが捉えました。
一方、東京都心も2日連続で猛暑日に。全国で猛暑日は150地点を超えました。
その暑さがジワジワと私たちの食卓に影を落としています。
カラフル野菜の小山農園 小山三佐男代表 「40℃以上になると作物も耐えられなくて、カピカピに…」
無残に変わり果てたきゅうり。さらに…。
ナスも猛暑の直撃を受けていました。
収穫量は例年より4割ほど落ち込み、わずかに収穫できた野菜を出荷しています。
カラフル野菜の小山農園 小山三佐男代表 「これだけ収穫ができないと2、3割は値上がりするのでは」
実際に夏野菜の卸売価格は高騰。今月上旬、トマトやピーマンは平年より2割から4割高くなっています。
さらに卵も去年より4割近く値上がりしています。
その影響が直撃しているのが飲食店です。
一圓 上石神井店 松脇成一店主 「(仕入れ額は)10万までいかないが7、8万円は高くなっている。1カ月」
仕入れ値はキュウリが約3倍、トマトは約2倍、そして卵は約1.5倍に。
それでも店は値上げせず、踏ん張っています。
■「猛暑インフレ」 家計負担 月2.5万円増?
第一生命経済研究所 テクノロジーリサーチャー 柏村祐氏 「“猛暑インフレ”が起きている。猛暑が続く限り家計の負担に」
「猛暑インフレ」は最大でどのくらい家計に影響するのでしょうか。
第一生命経済研究所 テクノロジーリサーチャー 柏村祐氏 「月額1万3000円から2万5000円上がる試算」
一般家庭で食費は月8000円から1万5000円。電気・ガス代は5000円から1万円増えるとされています。最大で月に2万5000円負担が増えることになります。
第一生命経済研究所 テクノロジーリサーチャー 柏村祐氏 「8月に入り40℃超えの日が続いた、渇水や局地的な豪雨が発生。猛暑が続く限り家計の負担につながる」
しかしその一方で、安さで注目される野菜もあります。
アキダイ 秋葉弘道社長 「中国産のニンニク」
中国産のニンニクの仕入れ値は100円以上ダウン。財務省の統計でも輸入価格は約2割下がっています。
なぜ、そこまで安くなっているのでしょうか。
アキダイ 秋葉弘道社長 「恐らく中国とアメリカの貿易摩擦、“トランプ関税”の影響。今まで中国産のニンニクがアメリカに輸出されていたが、アメリカに行かなくなった分日本に入ってきている」
アメリカと中国の関税を巡る貿易摩擦。アメリカに輸出されるはずの中国産のニンニクが行き場を失い、日本に安く入ってきているといいます。
客 「(中国産)ニンニクは買います。理由は安いから。どんな料理にも入れやすい」