日本航空の機長が乗務前に飲酒しハワイ発の合わせて3便に遅れが出た問題で、機長は以前にも乗務前の飲酒を10回ほど繰り返していたことが分かりました。
先月、ハワイから愛知県に向かう便で乗務する予定だった64歳の機長は、滞在先のホテルで飲酒していたことが発覚し、乗務を取り消されました。
これにより、合わせて3便に最大18時間の遅れが生じ乗客およそ630人に影響が出ました。
日本航空では、去年12月にパイロットによる同様の飲酒問題があり、それ以降、国内外の滞在先での飲酒を禁止していました。
再び起きた飲酒に関する問題を受け、日本航空の幹部らは今月4日、会見を開き謝罪しました。
日本航空によりますと、機長は、乗務の前日にハワイに到着し、昼すぎからおよそ560ミリリットル入りでアルコール度数9.5%のビールを3本飲んでいました。
乗務の当日になり、機長はホテルの部屋で自主的におよそ60回アルコール検査をしていましたが、すべての検査でアルコールは検知されていたということです。
社内での聞き取りに対し機長は「ついつい飲んでしまった。このぐらいなら大丈夫だろうと思った」と話しています。
また、以前も乗務前に10回ほど飲酒したことがあると説明したということです。
機長は先月、身体検査を受けた後に面談した産業医から酒を控えるよう勧められ「禁酒します」と応じていたことも明らかになりました。
日本航空では、去年の飲酒問題の後に再発防止策として、過度な飲酒をする傾向にある社員を「要注意者」としてリスト化しています。
このリストに機長も載っていますが、3段階の中では最もリスクの低いレベルに分類されていました。
日本航空は、リストの選定基準の見直しを進めるとともに、再発防止に再び取り組むとしています。