東京・葛飾区で上智大学の女子学生が殺害され、自宅を放火された事件から今月9日で29年です。女子学生の父親はANNの取材に対して「なぜ娘が」と無念さを口にしました。
小林順子さんの父 賢二さん(79) 「なぜ娘が、誰が、我が家が。こういったクエスチョンマークがずっと連続して続いている」
1996年9月9日、小林順子さんが葛飾区の自宅で殺害され、放火されました。
命日を迎えた今月9日朝、父親の賢二さんらは順子さんの遺影に花を手向けました。
小林順子さんの父 賢二さん 「夢にまで見た留学の2日前だった。さぞ本人も無念だったと思う」
この荷物は事件前、順子さんが自ら準備をして留学先のアメリカへ送っていた参考書や日用品などです。
賢二さんは今でも大切に保管しています。
小林順子さんの父 賢二さん 「ブーツですよ。こんなの履いてシアトルの街を闊歩(かっぽ)するつもりだったんでしょう。悔しいっていう気持ちはあるよね。あれだけ優秀な女の子が夢を果たせないまま、いってしまった」
事件現場からは犯人のものとみられるA型の血の付いたマッチ箱が見つかっていますが、その後の捜査関係者への取材で軍手の模様のような跡も付いていたことが分かりました。
これまで犯人の指紋は発見されていないことから、証拠を残さないようにしていたとみられています。
小林順子さんの父 賢二さん 「きょうも一日が終わってしまった。あしたに期待しようという思いは昔から持っていて、今もそれは忘れていないのですが、その期待感もだんだんと薄れてくるというのが事実ですね。(犯人に)一刻も早く自首なり出頭なりしなさいと、こういうふうに伝えたい」
警視庁は解決に向けて情報提供を呼び掛けています。