雨不足の影響で、一部地域の水田では米が実らない不稔と呼ばれる状態となっています。こうした中で高温に強い品種が注目されています。救世主となるのでしょうか。

 宮城県栗原市金成で、ひとめぼれやつや姫など35ヘクタールを作付けする専業農家の石川和彦さんです。

 つや姫の水田では、農業用水にため池の水を使用していましたが、雨不足で十分な水を供給できなかったため、稲穂に実が入らず穂が頭を垂れず直立のまま。不稔と呼ばれる状態です。

 石川和彦さん「実が入っていないですね。これほどつらいことはないですね、米づくりに携わっている人たちにすればですね」

 一方で、順調に生育する稲が一面に並ぶ水田。今、注目の新たな品種です。

 石川和彦さん「にじのきらめきという品種で、高温に非常に強いです。生産者にとってはスーパー品種的な品種です」

 石川さんは、にじのきらめきを9ヘクタールで作付けしていて、生育に手応えを感じています。

 石川和彦さん「水不足の影響もありませんし、非常に大きな粒で良いお米になっていると思います」

 にじのきらめきは、茨城県にある国の研究機関が2018年に開発した高温でも安定して収穫できる品種です。

 他の主要な品種と比べて収穫期が10月下旬ごろと1カ月ほど遅いうえ収量が多く、丈も短く倒伏しづらいことが特徴です。味はなめらかでうま味があるといいます。

 石川さんは2022年からにじのきらめきの作付けを始め、猛暑でも白く濁る高温障害がほとんど見られず、高温に強いことを実感したと言います。

 石川和彦さん「(2023年に)猛暑があって一等米比率が低下した年に、実際にこの品種は高温に非常に強くて品質も非常に良いことが実証されましたので」

 石川さんは今後も猛暑の年が続くとみていて、にじのきらめきの作付けに更に力を入れていきたいと話します。

 石川和彦さん「これからは冷害のリスクよりも高温のリスクの方が圧倒的に高いと思いますので、どんどんこの品種を面積を増やしていって高温下でも良い米を作れるように考えています」