テレビ朝日では「未来をここから」プロジェクトの一環でSDGs企画をお伝えしています。人の命を救ってきた消防服を廃棄せずに付加価値を持たせる「アップサイクル」で、傷付き苦しむ消防士を支援する試みが韓国で始まっています。

 韓国のトレンド発祥の地で知られるソウル・聖水洞(ソンスドン)。おしゃれなカフェやアパレルショップが立ち並び、若者たちが集まります。

 韓国のアパレルブランド「119REO」は廃棄となった消防服や消火活動に使われたホースなどをアップサイクルし、かばんやアクセサリーなどを作っています。

 韓国では、消防服の耐久年数は3年と決められていて、年間およそ2万着=70トンが廃棄となっています。こうしたなか、119REOは韓国消防庁から2割を引き取っています。

119REO イ・スンウ代表 「消防服はアラミドという超耐熱性の繊維を使っていて、最初から防炎機能をもっている。質感は一般的な生地と同じだが、防炎機能と非常に強い強度を持っている」

 利益の半分は公務中に負った傷が「公傷」と認められず苦しんでいる消防士らに寄付されます。

イ・スンウ代表 「119REOは消防士が私たちを救ってくれるように、私たちも消防士を救おうという意味で『互いが互いを救おう(Rescue Each Other)』というスローガンを作った」

 商品は一つひとつ布の風合いや状態が異なり、すすや傷とみられるものもあります。

イ・スンウ代表 「これまで1万着くらい防火服を回収してきて洗濯し分解する過程を見ると、とても丈夫な素材なのに焼けたり焦げたりしていることもある。誰かの命を救うために努力した痕跡があり、そこには苦痛と希望が一緒に感じられる」

 今後は日本のブランドとコラボレーションする予定もあり、世界中の消防服を使った商品展開を視野に入れています。

イ・スンウ代表 「誰かの命を救った服で良い製品を作らなければ、消防士のために寄付ができない。アップサイクリングするのに責任を感じています」