旬を迎えた天然マグロの世界を徹底取材。本格的なマグロ丼が1000円を切る専門店も。

■天然マグロ丼980円 なぜ安い?

 赤々と輝く天然のマグロ。ご飯の上にたっぷりと乗せ、ボリューム満点のマグロ丼が完成。みそ汁に小鉢、漬物が付いて価格はなんと980円。物価高のなか、1000円以下で味わえます。

 格安のマグロ丼を求める人たちでにぎわうのは東京・神田のガード下にある天然マグロの専門店です。

 マグロはすべて豊洲市場から仕入れた天然ものを使用。安く提供できる訳は…。

まぐろ丼や恵み 店主 向井生さん 「自社で仕入れ、加工、仕込みまですべてワンストップで行っているので、客に安く提供できる。天然のマグロはこれから旬を迎えるので、よりうま味のあるマグロを楽しんでほしい」

 一番人気は赤身、トロ、トロのあぶり、ネギトロ、4種類が豪華に味わえる丼1780円。絶品で、お得な天然マグロ丼に舌鼓。

 仕入れによっては高級な「ミナミマグロ」を使うこともあるといいます。

■絶品「みえまぐろ」の魅力

 旬のマグロは天然だけではありません。三重県の伊勢湾で育った養殖の本マグロで、「天然マグロ」に負けないほどおいしいという「みえまぐろ」。

 東京・杉並区にある生マグロの専門店では名物メニューが。本マグロが隙間なくぎっしりと盛られたメガ丼です。

 本マグロの刺し身がてんこ盛り。まずは中トロをぱくり。

 「一度食べたら忘れられない」という絶品マグロ丼。80代の女性もバラチラシ丼に大満足。

 店主は魚市場で見かける「ターレー」を愛用するブルガリア出身の金宮ラザロさん(44)。

みらい水産 金宮ラザロさん 「名前は金宮ラザロです。生の本マグロしか扱っていない専門店」

 ブルガリア生まれのラザロさんは13歳の時に来日。中学・高校時代を仙台市で過ごし、その後、日本人の女性と結婚。可愛い2人の娘が。家族で祭に参加するほど日本の文化が大好きだといいます。

 そして、日本が世界に誇る本マグロに魅了され、2年前に専門店をオープンしました。

■養殖マグロ“美味の秘訣”

 長い包丁で自ら本マグロをさばきます。

みらい水産 金宮ラザロさん 「(Q.包丁は何センチ?)60センチ」

 2日の朝、三重県から直送で届いた新鮮な本マグロ。

みらい水産 金宮ラザロさん 「生で来ている。水揚げから20時間くらい。すごく新鮮な状態で入ってくる」

 海のいけすで育つ「養殖マグロ」は今の時期からおいしさが増すといいます。

みらい水産 金宮ラザロさん 「冬が一番おいしい。秋から冬にかけて少しずつ脂がのり、おいしくなる」

 さらに、養殖ならではのおいしさの秘訣がありました。

みらい水産 金宮ラザロさん 「餌(えさ)が関係してくる。基本的にマグロの餌はイワシが多い。今は秋になってきて脂の乗ったサバを餌として与えている。(マグロに)上質な脂が付いてきている」

 ブルガリア出身のラザロさんがおすすめする脂の乗った本マグロの食べ方は、中トロの表面を火であぶることで本マグロの脂がとけ出し、甘みがより引き立つといいます。

 生の中トロとあぶりが同時に堪能できるマグロ丼も好評です。