厚労省はインフルエンザの患者数が前の週に比べて1.5倍に増えたと発表しました。急拡大する今年のインフルの正体に迫ります。
■想定外 大流行インフルの正体
都内のクリニック、インフルエンザの予防接種に来る人が急増しています。
お客さんと接する機会の多い鉄道関係の男性。感染して家族にうつすことがないよう早めの予防接種です。
鉄道関係(30代) 「子どもがまだ小さい。今、妻が妊娠しているので怖い」
9月の時点では予防接種を受けに来る人は一日に1人から2人程度でしたが、今は一日に60人ほどが受けに来ているといいます。
例年、12月ごろから感染者が増加するインフルエンザ。東京都では9月中盤から増え始め、今月10日午後に発表された一つの医療機関あたりの患者数は3.3人と、去年と比べても1カ月以上早いペースで急増しています。
母親(40代) 「(予防接種は)毎年もうちょっと後。いつも11月に打っていた」
こちらの母親も子ども2人と予防接種を受けに来ました。母親と長女が先に済ませ、次は6歳の長男ですが…。
母親(40代) 「今、職場も人数が少なくて大変なので、私もかかれないし子どもたちもかかれないので。さきおととい、別の学年で学級閉鎖。今回早めて来た」
今、感染が広がっているのが学校です。都内にある中高一貫校も先月末、1クラスが学級閉鎖になりました。
高校1年生 「(Q.今年、インフルエンザにかかった人?)熱が約40℃、主にひどいのどの痛み」
換気のためにサーキュレーターや空気清浄機を設置して対策していますが、これほど早くに流行するとは想定していなかったといいます。
青稜中学校・高等学校 笠松芳幸教頭 「通常、インフルエンザは寒くなってから出ると思っていたので、暑いさなかに出るとは思っていなかった。びっくりしている」
■“隠れインフル”? 感染しないためには
感染が広がっているインフルエンザ。保育園でもおもちゃの消毒や手洗いを徹底しています。
保育園キートス 日向美奈子統括園長 「小さい子は口に入れたりもあるが、すべてのおもちゃを毎日消毒。ブロックも一つひとつ保育士が消毒している。きょうだいや色々なところから(感染症が)入ってくる可能性。(感染が)広がらないようにできることはやっていく」
流行しているインフルエンザA型は症状が激しいのが特徴のはずですが、今年は軽い“隠れインフル”の人が目立ち、そのことで感染が拡大している可能性があると言います。
東京ビジネスクリニック 内藤祥医師 「この時期の特徴としては、激しい頭痛、倦怠(けんたい)感、高熱のような典型的な症状でない人が陽性。予防の最も有効な手段はワクチン。集団免疫をつけ、周りに広めないよう早いタイミングの接種を推奨」