3日、宮城健栗原市の山で女性がクマに襲われ死亡し、一緒に入った別の女性が現在も行方不明になっています。女性を襲った個体とは別とみられる子グマ1頭が、捕獲されました。

 紅葉シーズンを控えた栗駒山麓では例年この時期、登山客でにぎわいます。

 新田智紀記者「栗原市が設置した看板は、3日の死亡事案を受け登山道の入り口など4カ所に設置したということです」

 クマによる人身被害を受けて、栗原市は登山客に向けた注意看板を急遽設置しました。

 登山客「怖いですね。知識が無いから経験がある人に従うしかない。クマ鈴とかおしゃべりをする。ラジオを持ったりとか笛を吹いて、遭ってしまったらそーっと逃げるしかない」

 被害があった現場は、荒砥沢ダムのそばにある道沿いから入った山中です。

 阿南鉄平カメラマン「道路に規制線が張られています。クマが出たと思われる場所は、立ち入れなくなっています」

 3日午後1時半ごろ、キノコ採りのため山に入った4人グループから「クマに襲われた」と通報がありました。

 志水春江さん(75)が血を流して倒れているのが見つかり、その後死亡しました。死因は失血死で、首や身体にはクマの爪痕が複数見つかったということです。

 女性と一緒に山を訪れ、警察に通報した男性です。

 「女の人たち2人は、いつも行く一番採りやすいところで採ってんだよ」「(捜索隊が)ビニール袋にキノコがいっぱい入っておいてあったって、そばにキノコがいっぱいなっていたって。だから、採ってる最中だと思うんだ」

 男性によると、友人4人で3日午前9時過ぎに山に入り、2人1組に分かれ別の場所で収穫していました。

 一緒にいた70代女性の姿も現場に無く、行方が分からなくなっています。

 警察は、二次被害の危険があるとして入山はせずにヘリやドローン、パトカーで目視で捜索していますが、手掛かりは見つかっていません。

 地元の猟友会と栗原市はクマを捕獲するため、4日に現場付近の林道へわなを設置したほか、6日にも新たに1つ設置しました。

 地元猟友会菅原章さん「2基目をかけた所は沢沿いにかけました、おそらく熊が歩くだろう。早く捕獲されて平穏に収まって欲しい」

 6日午前、わなの1つに掛かったクマが見つかり駆除されました。掛かったのは幼獣で、女性を襲ったクマとは別とみられています。 宮城県では2日までにクマの目撃情報が898件寄せられ、前年の同じ時期よりも226件多くなっています。

 栗原市は、周辺の山に立ち入らないよう呼びかけています。

 宮城県大和町では6日、走行中の車がクマとぶつかる事故が起きるなど、宮城県各地で計 8件の目撃が相次いでいます。宮城県は10月末までクマ出没警報を延長して、警戒を呼び掛けています。