4月、突然の火事に見舞われながらも多くの人の支えで再建を果たした、仙台市青葉区のイタリア料理店です。
青葉区国分町の一角、仙台市役所の隣にあるイタリア料理店、トラットリア銀を営む山崎博史さん(50)と妻の稚恵さん(47)です。
山崎博史さん「笑顔あふれる食堂にしたいという思いで、トラットリア=大衆食堂という意味でこの店をオープンしました」
宮城県大河原町出身の山崎さんは東京都の有名店での修業を重ね、2011年に念願だった自分の店を構えました。
しかし、4月9日に火事が発生しました。
山崎博史さん「本当に最初すすだらけで、残ったのは包丁と絵だけで、他はもう焼けたり溶けたり、もう何も残らない状態でしたね」
閉店後の無人の店内で電気フライヤーが故障し、火事が発生しました。けが人や延焼はありませんでしたが、厨房を中心に大きな被害が出ました。
復旧に必要な費用は約1000万円で火災保険だけでは足りず、挑んだクラウドファンディングには予想をはるかに超える600人以上から1000万円を超える支援が寄せられました。
常連客や友人などから、多くの応援コメントが寄せられました。
山崎博史さん「まさかここまで、みんなに応援していただけるとは思っていませんでした。僕としては本当に感謝しかなかったです」
多くの支援を受け、8月25日にトラットリア銀は営業を再開しました。多くの客が集い、以前と変わらないにぎわいが戻りました。
「本当に変わらずのおいしさで、スタッフの皆さんもお元気そうなのでとても安心しました」「すごい活気があって、火事があったとは思えないくらい素晴らしい店内だなと思います」
復活したトラットリア銀のおすすめメニューは、牛の胃袋をトマトなどとじっくり煮込んだトリッパです。寒さが増していくこれからの季節にぴったりの一皿です。
山崎博史さん「火事があってもう一度原点に戻って、自分がやりたいお店、人が集う笑顔あふれる食堂ということをもう一度見つめ直して、再建していきたいと思っています」