宮城県気仙沼市の公共事業をめぐる官製談合事件の初公判が4日に仙台地裁で開かれました。市職員の男は起訴内容を認め、検察側は懲役1年6カ月を求刑しました。
気仙沼市土木課の道路整備係長、後藤文治被告(48)と建設コンサルタント会社の東北支店長だった清水康弘被告(51)、起訴状などによりますと後藤被告は2023年7月、市道の設計業務をめぐる入札など計2件で、携帯電話のショートメッセージを使い秘密事項である設計価格をコンサルタント会社の清水被告に漏らした疑いが持たれています。
そして清水被告は、知り得た情報を元に最低制限価格に近接した価格で落札し、公正な入札を妨害した罪に問われています。
4日に仙台地裁で開かれた初公判で、後藤被告は起訴内容を認めた上で「契約締結後に資料の作成や修正をお願いしても対応してくれない会社がある中、清水被告なら誠意をもって対応してくれると思い情報を漏らした」などと語り、融通の利く清水被告の会社に公共事業を落札させたかったという動機を明らかにしました。
これに対し検察側は「社会の行政に対する信頼を著しく低下させ、身勝手な犯行の理由に酌量の余地はない」などと指摘したうえで、後藤被告に懲役1年6カ月を求刑しました。
一方、業者側の清水被告も起訴内容を認めた上で「入札を断れば、気仙沼市との関係性がこじれるのではないかと思った」と犯行に乗じた理由を供述しました。検察側は、清水被告に懲役1年を求刑しました。
後藤被告と清水被告に対する判決は、18日に言い渡されます。