今年のゴールデンウイークは3年ぶりに新型コロナ対策の移動制限が設けられなかったため多くの観光地ににぎわいが戻りました。しかし、宮城県内の宿泊施設では観光客が思うように戻っていないところもあるということです。

 南三陸町の温泉旅館で244の客室があるホテル観洋です。先月29日から始まったゴールデンウイーク期間中に満室になったのは、わずか2日間のみです。

 さらにレストランも、例年であれば旬のウニ丼が人気を呼び稼働率は100%に近い状態になるのですが、今年は60%ほどと低い状態となっています。

 南三陸ホテル観洋女将・阿部憲子さん「従来のGWとは違う。久しぶりの母の手作り料理などそういう傾向があるような気がします。しばらく帰れなかった実家でお過ごしになっている人たちも多いのではないかと自分なりに感じています」

 阿部さんは県内にある35の旅館の女将で作る「みやぎおかみ会」の会長を務めています。その会合ではゴールデンウイークの予約が客室の半分程しか埋まっていない宿もあると報告されているということです。

 阿部さん「新幹線の乗車率が非常に高いと伺いましたが、私たちの仲間の様子を聞くとその数字と簡単には比例することではないなということを、特にGWの前半戦では感じていました。(他の旅館も)満室になったのは2日というのが多かったです。(3月の)地震の影響もあって慎重なお考えの方たちも多かったのかもしれない」

 おかみ会では、この状況を打開しようと県制150年の記念事業として150人を無料で日帰り温泉に招待するイベントを開催し誘客を進めるほか、様々な催しの検討をすすめています。

 阿部さん「今だからできること、私たちだからできることで、この150周年を生かすといいなと思った。知恵を出して考えていくと今まで自分たちができなかったことにも挑戦することになる」