20日に投開票が行われる参議院選挙、震災で被災した宮城県の男性に話を聞きました。
石巻市の復興住宅で暮らす小野節也(66)さんは、東日本大震災の発生後に避難した高台から津波に流されていくふるさとを見ていました。
吉野町復興住宅団地会長小野節也さん「あそこの上で眺めていましたね。どうなっていくんだろうなっていうのをね。あ、俺んちはもう終わりだわねって言って、帰ってみたら終わりでした。あんまり思い出したくもない光景ですね」
仮設住宅などを経て復興住宅で兄と生活を始めた小野さんは現在、団地会の会長として住民の見守りなどを行っています。小野さんは、震災後の支援に深く感謝しています。
小野節也さん「日本だけに限らず世界からの義援金とかもいただいて、それを配分して復興住宅を建てた経緯がありますから」
一方で、被災地には今も多くの課題があることを知ってほしいと話します。
その1つが復興住宅の家賃の問題です。家賃は、所得や間取りなどによって決まり、高い部屋では10万円を超えます。このため若い世代がほとんど退去してしまい、住民の平均年齢は80歳を超えています。
小野節也さん「復興住宅に住みたくても家賃が高くて住めないという方、あるいは家賃が上がるので家族別々で分かれて借りられるという方。色々困ってことが起きているというのが現状です」
そんな小野さんが今、政治に求めることとは。
小野節也会長「被災地に対して経済的な支援の継続を」
「被災されて家も家具も全て流された人が寄り集まって生活している、そういった住宅事情というものをもうちょっとご理解していただきたいと同時に、やはりそれはそれなりの予算の継続をお願いしたいという気持ちでございます」