9日、東北新幹線の車内で乗客の荷物から薬品が漏れ6人がけがをした事故で、液体から硫酸の可能性がある成分が検出されていたことが分かりました。

 9日正午ごろ、JR仙台駅に到着した東北新幹線の車内にいた乗客から「子どもが薬品に触れやけどをした」と消防に通報がありました。5歳の男の子を含む乗客ら6人がけがをしました。

 薬品は地質調査などを行う会社に勤務する40代男性が仕事で運んでいて、男性は青森県の七戸十和田駅から乗車しペットボトルのような容器に入れて持ち込んでいたということです。

 消防によりますと、初期対応に当たった際に液体を調査したところ、硫酸の可能性がある成分が検出されていたことが分かりました。

 東北医科薬科大学薬学部の吉村祐一教授はkhbの取材に対し、服がボロボロに破れてやけどの症状が見られることなどから薬品は濃い硫酸の可能性が高いという見方を示しています。

 JR東日本は、車内への危険物の持ち込みについて旅客営業規則で条件を定めています。
 硫酸などの強酸類は「密閉した容器に収納し、かつ破損する恐れのないよう荷造りした0.5リットル以内のもの」であれば車内に持ち込むことができるとしています。

 JR東日本の深沢祐二社長は10日の定例会見で「手荷物検査の全量検査は難しいと思うが、改めて注意喚起させていただきたい」と述べました。

 警察は、薬品の成分の分析を進めるとともに業務上過失致傷の疑いもあるとみて調べを進めています。