1カ月のキャンプを終え、25日にいよいよシーズン開幕を迎えるベガルタ仙台です。自ら志願してキャプテンに就任し、若返ったチームを引っ張る遠藤康に聞きました。

 2024年にクラブ設立30周年となるベガルタは森山監督の下、前シーズンの悔しさを晴らすべく1カ月にわたるキャンプで厳しいトレーニングを積んできました。

 真瀬拓海選手「全員がたくさん走ってたくさん動いて、皆で連動していくサッカー。相手の裏にランニングしていく選手が少なくて攻撃が停滞していた。そこは森山監督から意識的に言われている」

 森山監督が目指すサッカーの1つ、相手の裏を積極的に狙うサッカーもチームに浸透しています。

 キャンプ中に行われたJ2ロアッソ熊本との試合では、果敢に相手ディフェンスの裏に抜け出し、幾度となくチャンスを作ります。

 右サイドのオナイウ情滋が持ち前のスピードを生かしゴールを演出するなど、6点を奪い快勝し開幕へ手応えをつかむ結果となりました。

 オナイウ情滋選手「監督からも裏に抜ける動きを求められている。そこが自分がチームに貢献できる部分だと思う」

 森山佳郎監督「かなり鋭いカウンターも含めて、僕たちが目指そうとしている部分を出せた。チームにとっても選手にとってもやれるんじゃないかという気持ちを持たせてくれるような結果」

 プロ18年目を迎えた遠藤康は、仙台市出身の35歳です。強豪鹿島アントラーズで7度優勝、日本代表も経験し2年前ふるさとに戻ってきました。ベガルタの選手の平均年齢は25.2歳と前年より約2歳若返ったチームを、キャプテンとして引っ張ります。

 遠藤康選手「若いですね。新人の選手も多いのでエネルギッシュなチーム。監督たちが言ったことをやろうとする意識はみんなすごい」

 J1復帰を懸けた前シーズンは左足のけがで人生初の手術を経験し、チームが低迷する中で約2カ月間離脱し個人としても不本意なシーズンとなりました。

 遠藤康選手「本当に苦しかった。自分自身もプレーできなかったのももちろんですけど、若い選手が路頭に迷ってサッカーをやっているような感じにしか見えなかった。だからこそ、自分がチームが苦しい時にしっかりした道をみんなに見せる存在になろうと思った」

 今シーズンのチーム初練習冒頭、選手たちの前であいさつした遠藤は志願してキャプテンに就任しました。

 遠藤康選手「この2年間の悔しい思い、チームがなかなかうまくいっていない状況を踏まえて自分がキャプテンをやるしかない。みんなの力が無いとこの1年自分も乗り切れないと思うので、みんなの力を貸してほしい。その上で俺はしっかり背中を見せて引っ張っていくと話した」

 若手からも「やっさん」の愛称で慕われる遠藤は、練習中からコミュニケーションを取りアドバイスしています。

 郷家友太選手「1つ1つの声、緊張感を持たせる所や逆にみんなをリラックスさせてくれるような声を掛けている。鹿島などでで経験を積んで仙台に帰って来ている。その経験をチームに還元してくれている」

 遠藤康選手「今の若い選手はこれからの伸びしろが無限大。僕は若い選手の負けないように大きな壁になって、僕を乗り越えた時にもっともっと良い選手になってくれるのが一番うれしい。僕も若い選手には絶対負けないっていう気持ちで自信もありますし、そこはしっかり若い人たちと戦って1年間やっていきたい」

 今シーズンに懸ける思いを書いてもらいました。

 遠藤康選手「勝つ。一番シンプル。僕たちは勝たないと生き残っていけない世界なので、チームもサポーターもみんなで勝ってみんなで悔しがって、最後はみんなでうれし涙で喜び合いたい」

 ベガルタ仙台は25日、アウェーで大分トリニータとの開幕戦に臨みます。