イオン仙台店が入居していた仙台市青葉区の読売仙台ビルは立て替え工事が5月から始まる予定で、にぎわいの創出が期待されています。その一方、仙台市中心部では再開発が思うように進んでいない事業も散見されます。

 JR仙台駅西口から徒歩5分、青葉通沿いに建つ読売仙台ビルは2月に全てのテナントが退去したばかりですが、5月から建て替え工事が始まります。

 2029年度の完成を目指す新たなビルは地上10階以上を想定し低層階に店舗、中層階にオフィス、高層階にホテルが入る計画です。

 地域経済に詳しい七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは、建て替え事業のスピード感に期待感を示しています。

 田口庸友首席エコノミスト「仙台市中心部では閉店が相次いで、それだけではなく次の計画もなかなか決まらない状況が続いて、再開発に停滞感が漂っていた。イオン仙台店が閉店してからまだあまり時が経たずに新しい計画がスタートしたということで、非常に明るい話題だと思います」

 「一般的に今は他の物件も含めて建築コストが非常に高くなっているといった要因が一つあるのと、仙台市も数年のうちに人口減少局面に突入すると、仙台圏の経済的なポテンシャルがこの先、落ちていくという見方もされがちなところで、投資元本の回収ができるのかという懸念も一部であって、何を建設したら良いのか非常に悩んでいるといったところだと思います」

 「オフィスや一部ホテルを入れると思うが、域内の需要よりもむしろ宮城県外、海外と域外の需要をターゲットにしているということで伸びしろがある事業分野に目をつけて、収益を上げていこうという計画になっていると思います。これがきっかけとなって様々な再開発が進むことを大いに期待したいと思います」

 今後、仙台市中心部の再開発を進めるためには何が鍵になるのか。田口さんは「商圏人口が減る中、外需をうまく取り込み人や物が集まることで更なる投資の呼び水になる」と話していて、行政に対しても「外需を取り込みやすいアミューズメント施設の建設をした事業者に助成金を出すなどの優遇政策を検討することも必要になる」と話していました。