2025年度に開校したばかりの宮城県の大崎市立おおさき日本語学校は、少子高齢化が進む中で外国人の人材受け入れを加速化させる取り組みとなるのでしょうか。

 4月に開校したおおさき日本語学校は、全国で2例目となる公立の日本語学校です。学んでいるのは台湾、ベトナム、インドネシアからの留学生28人です。
 サイドさん(インドネシア)「小さい時からずっと日本に行きたかった。日本で仕事もしたい」
 陳昕柔さん(台湾)「日本の音楽が大好きで、ステージやライブの仕事がしたい」

 学校は日本語を教えるだけではなく、地域住民との交流も大切にしています。
 鈴木俊光校長「この辺も少子高齢化の地域です。働く人口はどんどん少なくなる中で、大崎市としても多文化共生社会を作ることが目標だった」

 4月、全国で2校目となる公立の日本語学校、おおさき日本語学校が開校しました。台湾、ベトナム、インドネシアからの留学生28人の日本での新たな生活が始まりました。
 サイドさん(インドネシア)「すごく楽しいです。大崎市は私にばっちりな街。あまりにぎやかじゃないのとみんなが優しい」
 陳昕柔さん(台湾)「住んでいて気持ちいい感じ。虫とかカエルの声同じ。私の家は山の中、懐かしい」

おおさき日本語学校

 豊かな自然が各国から集まった学生たちには好評な大崎市ですが、この10年で人口は約10%減少していて少子高齢化が止まらないという地方特有の問題も抱えています。
 一方で、宮城県の外国人労働者の数は増加傾向にあります。宮城労働局によりますと、2024年10月末時点で1万9554人と前年同時期と比べて17.9%も増えています。外国人労働者を雇用する事業所数も前の年より396カ所増え、3200を超えました。2007年に雇用状況の記録が始まって以来、過去最高です。

 大崎市に誕生した公立の日本語学校は地域に、そして宮城県にこうした外国人の人材受け入れを加速させる取り組みです。
 鈴木俊光校長「この辺も少子高齢化の地域です。働く人口はどんどん少なくなる中で、市としても多文化共生社会を作ることが目標だった。その活性化の1つとして日本語学校を作ると

 日本語の読み書きや会話を学ぶ日本語総合の授業では、生徒たちが気になる最近のニュースを日本語で伝えます。
 「最近気になるのはお米の値段。農林水産大臣は5キロのお米をいくらにするといいましたか?2000円」

 ここで、アナウンサー8年目の重信友里アナウンサーが少しだけ教壇に立たせていただき、日本語の発声のお手伝いをしました。
 重信友里アナウンサー「皆さん初めまして。日本語って「あいうえお」の形がありますよね。その形がきちんとできていればどの音もきれいにでます」

重信友里アナウンサーが教壇に

 お昼休みには、地域のお母さん手作りの惣菜が並びます。
 サイドさん(インドネシア)「昼ごはんはよくおばさんたちから買います。すごくおいしい。特におにぎりとかチャーハンがおいしい」
 午後の授業は作文です。すぐに文字にするのではなく、内容を話し合って頭の中を整理してから書いていきます。その表情は真剣そのもの。

 地域に開かれた学校を目指しているおおさき日本語学校の一番の特長は、地域との交流です。
 鈴木俊光校長「今、学校は地域の協力がなければ成り立たない。地域、宮城県、大崎市を知ってもらい、いい所だと思ってもらうことが一番」

 そこで日本文化に触れながら地域と交流してもらおうと、高校生との交流会や日本の交通ルールを学ぶ機会などを設けています。
 留学生「どこに植えればいい」小学生「この辺ですかね」留学生「植えますよ」
 この日は、加美町の小学生と一緒に田植えに挑戦です。
 「日本語学校の皆さん(田植えが)遅いですよ」「先生手伝ってください」
 留学生(台湾)「みんなが優しいから本当に楽しかったです」
 サイドさん(インドネシア)「昔の田植えの仕方を学んで楽しい。おいしい米になってほしいです」
 小学生「田植えして、ここにも植えるんですかと、線が見えないですがどうすればいいですかと聞いてくれてうれしかったです」

地域と交流し日本文化を学ぶ

 田植えの後は、農家さん手作りのおにぎりをみんなで頬張りました。
 農家「他の国の方に来てもらって、日本の農業がこういう状態ということを知ってもらうだけでも私自身勉強になります。日本も後継者不足ですので、農業に従事してもらうと私たちは助かります」

 開校から2カ月が経ち、地域交流は少しずつ広がりを見せていて周辺の学校から「交流したい」と要望が届くようになりました。
 鈴木俊光校長「大崎市も1年後2年後3年後、最大100人まで生徒がどんどん増えていきます。歩いていても普通に触れ合って「こんにちは」「おはよう」と言う多文化共生社会ができればいい」

 母国から遠く離れた日本で過ごす留学生たちは将来、日本での就職を目指しています。
 サイドさん(インドネシア)「ゲームの会社で働きたい。日本語学校から卒業した後に仙台市の専門学校を受験する。レーシングゲームとかアドベンチャーゲームを作りたい」
 陳昕柔さん(台湾)「バンド大好き。日本の音楽が大好き。ライブとかステージとかの仕事がしたい」