複合施設建設計画の白紙撤回を目指す宮城県登米市の熊谷康信市長が、関連予算を全額削除した補正予算案を提出していたことをめぐり、市議会は27日に建設計画を元通りにする修正案を可決しました。

 前の市長が進めていた複合施設の建設計画の白紙撤回を訴えて当選した熊谷市長は、6月から始まった議会に関連予算を全額削除する補正予算案を提出していました。

 これに対し計画賛成派の議員たちは26日、市長が提出した補正予算案を元に戻す修正案を提出しました。

 27日の本会議で議員たちは計画に反対、賛成それぞれの立場で意見を述べました。

 計画反対・鈴木実議員「民意としては新市長に熊谷市長が選ばれて、かじ取りを任せた。(議会も)市長を支えていく立場で臨むべきではないかと思っております」

 計画賛成・佐々木好博議員「市長の主張する計画は、これまでの多くの市民の思いと逆行するものではないかと思う」

 その後の採決で、修正案は議長を除いた23人の議員のうち15人が賛成して可決され、複合施設の建設計画は元通りとなりました。市長の目指した白紙撤回が、白紙となった形です。

 熊谷康信登米市長「現時点では、白紙撤回の思いがある。どのように(議会に)説明していくのかを検討していきたい」

 議会の混乱に登米市民は。

 建設反対「市政の財政として優先順位はあると思うので、必要な方から市民のために税金を使ってほしいと思う。(熊谷市長には)期待して投票しましたので。初志貫徹、貫いてほしい」

 建設賛成「造ってほしいというのは絶対ある。でないと、私ら年寄りがいっぱい出てくるのに、行く場所や集まる場所が無い」