今季一番の猛暑となった東京都心。涼しく過ごせるはずのプールにも危険が。対策に追われています。

■北海道 半年で気温50℃上昇

 まだ梅雨の東京。気分はすっかり夏本番です。

 北海道も、帯広は2日連続猛暑日に。東京より暑く、暑さの街・熊谷と並ぶ36℃超えとなっています。

 思えば、わずか5カ月前。街は雪に包まれていました。

 5カ月前、記録的な寒波に見舞われ、マイナス10℃となった帯広。わずか5カ月で、気温は50℃近く上がったことになります。

 この暑さで、市内の中学校は生徒の疲労などを考え、午前中授業となりました。

帰りのホームルーム 「この後、速やかに下校。現段階で調子悪い人はいない?やったー遊ぶぜじゃないよな、きょうは。何のための下校なのかを考えて、不要な外出は控えて、家でしっかりやってほしい」

帯広第七中学校 教頭 「数年前からそういう状況があったが、7月上旬というのは初めてのこと」

 そんな危険な暑さが続く夏ですが…その暑さを逆手にとって、家計を守る人々の姿がありました。

 こちらの買い物客。なぜか最高気温36℃超えでニンマリ。なぜ喜んでいるのでしょうか。

■暑いほどお得!家計防衛にも

 買い物も一苦労といった暑さのなか、7月の食品値上げは2100品目を超え、去年の5倍に。

 そんな「家計にも厳しい夏」。買い物客を助けてくれるのが、このカードです。1000円以上の買い物で本来“1個ずつ”たまるはずのスタンプカードに、スタンプを押す店員の手が止まりません。

 これは「猛暑増」という、新たな取り組み。

マルヤス 広報室長 松井順子さん 「マルヤスの各店舗の9時時点での『Yahoo!天気』の最高気温予想をもとにスタンプを押している」 

 1000円ごとの買い物で1個ずつたまるスタンプが、真夏日の30℃以上でプラス1個。猛暑日となる35℃でプラス2個。

 そして、36℃以上でプラス3個。という具合に暑いほど早くスタンプがたまるのです。

 これが20個たまると、次回の会計が10%も割引に。

松井順子さん 「お酒は対象外、それ以外のものはすべて対象、上限はありません」 

 例えば2万円まとめ買いすれば、2000円もお得に買い物ができるといいます。

60代 「おコメ10%でも安くなればいい」 「暑くても買い物には出ないきゃいけないから助かる」

■エアコン半世紀越しの設置

 家計もさることながら、体の防衛も必要な、長く厳しい夏。

男性(70代) 「水が飲みたい…」

 70代男性。エアコンが苦手なため使わず、食欲不振と発熱など熱中症で搬送されました。

医師 「体冷やしますよ」

 高齢者の意識も変わりつつあります。

エアコン設置を依頼 70代 「ここ5年・10年で急に暑くなったような気がする。(エアコン)なくてもなんとかなっていた」

 埼玉県熊谷市内に住む70代男性。家を購入して以来、50年ほどエアコンのなかったキッチン。50年間耐えた暑さに限界が訪れ、ついにエアコンの設置を依頼しました。

70代 「妻も年を取ったし体調を崩しているので、それを踏まえて少し涼しい方がいいかなと」

 扇風機を3台フル稼働させながら、その時を待ちます。そして…半世紀の時を越え、キッチンを涼しい風が吹き抜けます。

70代 「妻も喜ぶでしょう」

 エアコンを使わなかった高齢者も、意識を変えざるを得ない暑さです。

おうちサポートつねみ 常見俊弘社長 「熱中症に対して危機感を持っているのかなというところもあり、(今月)40台くらい取り付ける予定。今まで付いてない部屋に付けたいというケースも増えている」

■プールに潜む意外なリスク

 こんな楽しい熱中症対策もあります。

 2日連続猛暑日となった東京都心。東京サマーランド。冷たいプールで暑さをしのぐ人でにぎわいます。

 そのため、熱中症対策にも気を配ります。

注意喚起のアナウンス 「こまめな水分補給・休憩を取り、熱中症対策をしてお楽しみ下さい」

東京サマーランド 企画宣伝課 高見哲平さん 「プールの水は冷たいので体感的には暑さを感じにくい。日光は頭や体に降り注いでいるので、客に熱中症対策をしてもらう狙い」

 冷たいプールや海での熱中症、警戒が必要な理由は他にもありました。

 水温が32℃を超えると、体の熱が逃げにくくなるため注意が必要だということです。

早稲田大学 名誉教授 中野江古田病院 医師 永島計教授 「昔のように震えてプールに入り、冷たくて気持ちいい状況では(今は)なくなっている。体に対するストレスも大きい」