南極の内陸部の気温が世界平均より早いペースで上昇していることが名古屋大学などの研究で分かりました。この地域で温暖化の傾向が明らかになるのは初めてです。

 名古屋大学などのグループは、南極の内陸部の気温データ30年分を解析しました。

 その結果、日本の「ドームふじ基地」などでは、気温が10年間でおよそ0.5℃のペースで上昇していることが分かりました。これは世界平均の2倍のペースです。

 特に春から夏にあたる10月から3月にかけてはさらに早いペースで気温が上昇しているということです。

名古屋大学 宇宙地球環境研究所 栗田直幸准教授 「インド洋の温暖化が南極の内陸域の温暖化に寄与している。いずれさらに暖気がより温まれば、沿岸域でも氷の融解を引き起こすような温暖化が引き起こるはず」

 データは日本の南極観測隊によるもので、内陸部での温暖化傾向が明らかになるのは世界で初めてです。