クマによる被害が相次ぐなか、駆除を巡って議論となっています。人とクマがともに生きる道はあるのか。
先月、北海道福島町で新聞配達中の男性がヒグマに襲われて命を落としました。
町全域に初の「ヒグマ警報」が出されるなか、事件から6日後にハンターがクマを発見し、発砲。無事に駆除されることに。クマの体長は2メートル以上、重さは200キロを超えていました。
その後、道や町には「動物の命を何だと思っているのか」「人を襲ったクマだとかいい加減なことを言うな」などの苦情電話が…。
北海道 鈴木直道知事 「北海道民から電話が来るというよりも、むしろ道外の人からじゃんじゃん電話が来てですね」
特に道外からの電話が多く、中には2時間以上に及ぶものもあったとか…。
北海道 鈴木直道知事 「これはもう仕事になりません」
一方、自治体に寄せられるのは駆除に反対する苦情だけではありません。
メールで寄せられた苦情 「ヒグマを絶滅させなさい。仕事しないなら退職しなさいよ!」 「お前等が熊の駆除をしっかりしないからまた人が殺されたじゃねーかよ無能集団が!」
この状況には環境大臣も…。
浅尾環境大臣 「過度な苦情は、職員数が限られるギリギリの体制で対応する自治体の活動を制限し、自治体職員やハンターの活動を萎縮させ、新たな事故につながりかねないものであります」
そうしたなか、来月からは市街地などでクマなどが出没した際に「市町村の判断で猟銃の使用を可能とする」改正法が施行。環境省は緊急性、安全性などの条件や手順を記したガイドラインを公表しています。