ウクライナとの停戦交渉で強気の構えを見せるロシアですが、国内では消費者が深刻なガソリン不足に悩まされています。

 極東ウラジオストクでは給油のため、ガソリンスタンドに長蛇の列ができています。

 一部では、すでに品切れの看板を表示しているところもあります。

 独立系メディアによりますと、夏以降、ガソリンの生産量は約1割減少し、極東など少なくとも10の地域でガソリン不足がすでに深刻化しています。

 ウクライナによる石油精製所への無人機攻撃やロシアがもともとガソリンの備蓄能力が低かったことなど、複数の要因が重なっていると指摘されています。

 イギリスのフィナンシャル・タイムズによりますと、7月初旬以降、ウクライナの無人機攻撃は少なくとも4つの大規模な製油所に甚大な被害を与えたということです。

 また、ロシア南部の鉄道網への無人機攻撃も列車による燃料の輸送を妨げるうえ、住民や旅行客が自家用車をより多く利用することになり、ガソリンの需給バランスを崩す要因になっています。

 ロシア政府は7月末から8月末までガソリンの輸出を禁止していますが、効果は出ていません。

 独立系メディアは軍事用のディーゼル燃料は十分にあるためプーチン政権は攻撃を止めず、国内でのガソリン不足は今後も続くだろうと指摘しています。