こちらのチキンカレー、実は長期保存が可能なんです。その賞味期限はなんと25年。防災の“シン常識”です。
防災の日の1日、訪れたのは“常識を打ち破る非常食”を販売する企業です。
SEI SHOP 布山夕紀店長 「これが賞味期限ってことが伝わらない時もある」
賞味期限が2050年。つまり、25年も保存できるんです。
ふたを開けてみると…。
SEI SHOP 布山夕紀店長 「お湯か水で戻すとカレーのようにとろみがついて食べられる」
お湯を入れてかき混ぜればすぐに食べられます。お湯がなければ水で、水もなければそのままでも食べられるそうです。
なぜ、25年も保存できるのでしょうか。
そもそも食品が劣化する理由は大きく2つ。水分によって微生物が増殖することで起きる「腐敗」と、酸素と反応して起きる「酸化」です。
つまり、「水分」と「酸素」を取り除けば、食料は長く持つということ。そこで…。
SEI SHOP 布山夕紀店長 「フリーズドライの加工をすることによって、食品の水分を最大で98%除去。水分を極限まで少なくした状態で缶に密閉をする時に、脱酸素剤を入れて密閉をしているので、25年の保存を可能にしている」
25年保存できる非常食は、カレー以外にシチューや雑炊などもあります。
この非常食をストックしている都内の幼稚園です。
明福寺ルンビニー学園幼稚園・保育園 福井太人副園長 「非常食のカレーです」 「(Q.いつ購入?)2024年に購入した」
賞味期限は…。
明福寺ルンビニー学園幼稚園・保育園 福井太人副園長 「2049年です。5年保存のものは5年経つと替えないといけないが、25年保存だと手間も省ける。とても便利」
いざという時、命を守るために「常に備える」ことが求められています。その方法は「長期保存」だけではありません。
店員 「2ケースでちょうどいいと思います。2031年10月まで持ちます」 客 「じゃあそれを2つ」
1日、ホームセンターには備蓄用の水を買い足しに来た女性が…。
備蓄用の水を購入した客 「そろそろいくつか期限切れなので、普段の食と関連付けて循環できることをポイントにしている」
女性が実践しているのは、食べながら備える「ローリングストック」。普段から少し多めに食品を備蓄し、賞味期限の古いものから使い、その分だけ買い足す方法です。
このシンプルなサイクルで、「常に備える」ことができるんです。一体どんな商品が人気なのでしょうか。
カインズ昭島店 販売担当 田中希里さん 「非常食というより、普段から食べ慣れておこうという意識がある。カレーであればご飯類と、ようかんはお菓子として食べると良いと思う」
「普段から無理なく取り入れたい」非常食。そこで、日常でもおいしく食べられるアレンジレシピを教えてもらいました。
料理メディアNadia 広報担当 八尾萌恵さん 「よく備蓄されている焼き鳥缶とパックご飯で親子丼を作ります」
材料は「焼き鳥の缶詰」「パックご飯」など。
醤油、みりんなどで作ったつゆに焼き鳥を入れます。溶き卵を少しずつ加え、あたためたパックご飯を準備。具を上に乗せ、卵黄を乗せれば、親子丼の完成です。
料理メディアNadia 広報担当 八尾萌恵さん 「非常食を防災のためだけに買うとハードルが上がりやすい。日常的に非常食を家庭にストックして気軽に取り入れてもらえるとうれしい」