EU(ヨーロッパ連合)のフォンデアライエン委員長は、制裁として凍結しているロシアの資産について、ウクライナ支援のためにさらに活用する考えを示しました。

EU フォンデアライエン委員長 「侵略者であるロシアは、自らの行為に責任を負わなければならず、損害や侵略の代償を払わなければならない。これが原則であり、我々は凍結された資産から生じる利益のさらなる活用を検討している」

 EUはウクライナ侵攻を巡るロシアに対する制裁として、これまでにロシア中央銀行の資産およそ2100億ユーロ=日本円で36兆円余りを凍結しています。

 フォンデアライエン委員長は1日、外遊先のリトアニアで会見し、ロシアの凍結資産の活用をウクライナへの軍事支援や復興のために拡大する考えを示しました。

 EUはすでにロシアの凍結資産による運用益およそ37億ユーロ=日本円で6300億円余りをウクライナへの支援にあてています。

 ロイター通信によりますと、リトアニアのほか、ポーランドやエストニアは運用益だけではなく、およそ2100億ユーロの元本すべてを即座に没収してウクライナ支援にあてるべきだと主張しています。

 一方で、フランスやドイツ、ベルギーは、国際法に違反するリスクやユーロの信頼性低下などを懸念して、限定的な活用に留めたい考えだということです。