19日、前経済安全保障担当大臣の高市早苗氏(64)が自民党総裁選への立候補を正式に表明しました。会見ではこれまでの保守色を薄め、野党肝煎り(きもいり)の政策を積極的に取り込む考えを示しました。

■高市氏が政策発表 野党を意識

高市氏 「内から外から日本は大きな危機に直面している。この巨大な危機を乗り切るために必要なのは、暮らしや未来への不安を夢と希望に変える政治。巨大なクライシス(危機)に立ち向かえる、強い政治です」

 スローガンは「日本列島を、強く豊かに。」、国が積極的に投資を行うことで「強い経済を実現する」と訴えました。

 そして野党との連立を見据え…。

高市氏 「基本政策が合致する野党と連立政権を組むところまで考えていきたい」

 野党が求める「ガソリンや軽油の暫定税率廃止」、国民民主党肝煎りの「年収の壁引き上げ」などの政策を発表。エネルギー政策についてはこう述べました。

「これ以上私たちの美しい国土を外国製の太陽光パネルで埋め尽くすことには猛反対です」

 環境破壊が問題視されているメガソーラー政策の転換を念頭に置いた発言とみられます。

 去年の総裁選では、総理になった場合でも、「靖国神社参拝」を続けることを明言していた高市氏。今回は明言しませんでした。

高市氏 「私にとっては国のために命を捧げられた方というのは大切な存在であり、感謝の気持ちは決して変わりません」

 また、持論だった「食料品の消費税ゼロ」を取り下げ、立憲民主党が参院選で公約に掲げた「給付付き税額控除」を打ち出しました。

 およそ50分にわたって熱い思いを述べた後の質疑応答では、こんなハプニングがありました。

黄川田仁志衆院議員 「そこの顔の濃い人」 高市氏 「何てこと言うの。すみません」

 司会者の黄川田仁志衆院議員が記者を容姿で指名する不用意な発言。

黄川田衆院議員 「手前の顔が、顔が白い。濃くない方」 高市氏 「すみません、司会者が」

 黄川田氏は「不適切な表現」だったとして陳謝しています。

 すでに、出馬を表明している小林鷹之元経済安保担当大臣(50)。19日は、都内の金属工場を視察し、意見を交換しました。

 高市氏とは、同じ保守派で路線が重なりますが、会見で小林氏との一本化がかなわなかったことについて問われると。

高市氏 「去年(の総裁選)も、いろんな討論会に出て(小林氏と)意見が合うなと思った。これからも力を合わせて働いていければ」

■小泉農水大臣 30年度までに「賃金100万円増」

 そして20日、出馬会見を開く小泉農林水産大臣は、「国民の声とともに立て直す」として、経済政策や社会保障改革など9つの柱で政策を訴える公約の原案が判明しました。

 経済政策では、2030年度までに「国内投資135兆円、平均賃金100万円増を目指す」としています。

 小泉氏は19日、自身が新人議員の時の総裁だった谷垣元総裁の自宅を訪ね、出馬の意向を伝えました。公約では、「解党的出直し」の一環として、野党時代に谷垣元総裁のもとで行った「全国で国民の声を聞く取り組み」を再始動させるとしています。

 すでに総裁選への出馬を表明している茂木氏は…。

 議員会館の事務所で地方議員らに電話をかけ、自らへの支持を呼び掛けました。そして林官房長官を支持する旧岸田派のおよそ10人の議員が国会内で会合を開きました。

 事実上、5人で顔ぶれが固まった総裁選。22日に告示され、来月4日に、投開票の予定です。

(「グッド!モーニング」2025年9月20日放送分より)