相次ぐパレスチナの国家承認に対し、イスラエルは入植地拡大など対抗措置を検討しています。自宅を破壊されたパレスチナ人が取材に応じ、イスラエルに圧力を強めるように求めました。

 旧市街にもほど近い東エルサレムに住むパレスチナ人・アブディアブさんもイスラエルに自宅を破壊された一人です。

アブディアブさん 「ここが台所で、妻がいつも家族のために料理をしていた。そしてここがリビングで、ここに座って子どもや孫と食事をした場所です。2024年、エルサレム当局がこれを破壊しました。許可のない『違法建築』だと言いました」

 東エルサレムではパレスチナ人が住宅の建築許可を取ることはほぼ不可能で、住民らはイスラエル側に重機で自宅を取り壊されたと話します。

 今年に入ってから少なくとも113軒が壊され、不当な立ち退きに遭っていると訴えています。

 イスラエルは各国がパレスチナ国家承認を表明したことへの対抗措置としてヨルダン川西岸での入植地の拡大を最終承認したばかりで、西岸地域を併合することも検討しています。

 アブディアブさんは現在、壊された自宅の傍らで仮設の住宅に暮らしていますが、その建物も取り壊しの命令を受けたということです。

アブディアブさん 「パレスチナが国家となることを認めてくれた。それは非常に良い一歩。彼らはイスラエルに圧力を掛けるべきだ。残念ながら世界の指導者たちは、これまでそれなりにうまくやってきた。だが今までは、ただ口先だけで何もしなかった。しかし、私たちは単なる言葉だけでは終わらせない。すべての人権を、私たちの国家をこの地に刻みたい。そして世界の指導者がイスラエルにそれを受け入れ、国際法を超えることがないよう圧力を掛けるべきだ」