ウクライナの隣国、モルドバで実施された議会選挙で、EU(ヨーロッパ連合)への加盟を目指す与党が過半数を獲得しました。
旧ソビエトの構成国だったモルドバの議会選挙が開票され、親欧米派の与党が得票率50.2%と過半数を獲得しました。
与党を率いるサンドゥ大統領は「EU加盟への強い支持を示している」と述べ、勝利を宣言しました。
モルドバでは親ロシア派が勢いを伸ばすことによるウクライナ情勢への影響が懸念されていましたが、ロシアとの関係を重視する野党連合は得票率24.2%と伸び悩みました。
選挙の結果を受けて首都キシナウの国会前では29日、さっそく親ロシア派がデモを実施し、野党連合を率いたドドン元大統領らも参加しました。
ドドン元大統領は「違反行為があった」と反発を強めていて、選挙結果は再審査されるとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、SNSに「ヨーロッパにおいてモルドバが勝利したことを示すものだ」と投稿し、選挙結果を歓迎しました。
一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官はロシア国内では投票所が2カ所に限られていたため、数十万人が投票機会を奪われたと主張しています。