東日本大震災から15年、国は4月から被災者の心のケアなどについての地方交付金を原則、打ち切ります。支援を続けるべきか、自治体ごとに判断が分かれています。

 宮城県気仙沼市の災害公営住宅には、震災で住まいを失った人たちが暮らしています。 震災から時が経ち、住人が高齢化したりパートナーと死別して孤立したりするなどの課題が深刻になっています。

 団地の一角にある高齢者相談室には、市の委託を受けた生活援助員が常駐し、入居者の見守りや生活相談をしています。

 お年寄りの住人に会ったり戸別訪問したりして、健康状態を確認します。

 「変わりないですか」「相変わらずです」「良かったです。先日不在だったから」

 体調を崩した時に市の担当部署につないでもらい支援を受けられたと感謝している女性は、とりとめのない会話から元気をもらっているとも話します

 「何気ない言葉なんですよ。会った時でも元気?とか変わりない?と、ただそれだけの言葉ね。こういう相談室がこれからなくなる、何かちょっと変わると聞いたので、困るなあということは痛切に感じますね」

 宮城県では2025年度、7市町がこうした見守り事業を実施してきました。

 国は、被災3県の見守り事業に年間約15億円の交付金を出していましたが、2025年度限りの打ち切りを決めました。2025年度までの5年間を「復興と創生」の総仕上げの期間と位置づけていて、2026年度からは福島第一原発事故からの復興事業に復興予算のほとんどを充てる方針です。

 被災者の心のケアは、真に必要な範囲のみとしています。

 自治体が事業を続けるためには自治体が負担しなければならないため、名取市と塩釜市は2025年度で事業を終了します。

 気仙沼市も年間6000万円余りの国の交付金が途絶えるため、事業終了も検討したということです。

 気仙沼市吉川礼高齢介護課長「災害公営住宅の状況が高齢化が高く、また高齢者のみの世帯というところも多くいらっしゃるという現状の中で、やはり公的な支援は継続する必要があると判断いたしまして今回、事業の継続をするということとなりました」

 事業継続のため気仙沼市は、別の補助が受けられる介護保険事業として、2026年度予算案に約2000万円を計上しました。それでも予算が少なくなるため、生活支援員は15人から6人に、4カ所ある相談室も常設から週2回に変わります。

 国の交付金打ち切りに対し、被災自治体からは被災地の現実を見てほしいという声が上がっています。

 気仙沼市吉川礼高齢介護課長「まだ継続して支援が必要な方たちが被災地にはいらっしゃるというところを捉えて、それをつなぐための継続した財政措置ということはこちらも今までも求めてきましたし、今後もそこは支援をお願いしたいと考えております」