人気の海水浴場がこの夏、開催を中止する決定をしました。理由は「砂浜の消失」です。日本の海岸で今何が起きているのか。2100年には砂浜の6割以上が消えるという研究もあるんです。

■なぜ?消える海水浴場の砂浜

 17日から海開きとなった静岡県焼津市の海水浴場。元気いっぱいの子どもたちが海を満喫します。

 本格的な海水浴シーズンに突入していますが、茨城県では海開きできない海水浴場がありました。

 「大竹海岸鉾田海水浴場」です。

 遮るものがなく直線に広がる砂浜と美しい景観から“茨城のゴールドコースト”とも呼ばれ、例年2万人以上の海水浴客が訪れる人気スポットですが…今年の夏は一部が立ち入り禁止となっています。

 原因は「砂浜の消失」です。

 以前は、海水浴場に多くのテントが立ち、美しい砂浜が広がっていましたが…今は砂浜の面積が大幅に減り、テントが立てられるスペースはありません。

 すぐそばまで波が押し寄せていました。

 以前、番組がこの場所で取材した時にはブロックが6段しか見えていませんでしたが、今では砂が大幅に減り、本来見えていなかったブロックが剥き出しに。

 本来あった砂がなくなり、ブロックに穴が開いていたのです。

 鉾田市は安全面などを考慮し、海開きを断念しました。

 海開きが中止となったことで周辺の飲食店では影響が…。

レストラン海乃風 小沼拓也さん 「海水浴に来て、店に寄る人もいる。影響は出てくると思う」

 海のすぐそばにあるレストラン。この時期は近くで取れた“しじみ”を使ったラーメンが人気です。

 海水浴シーズンは1年の中でも、特に客が増える時期だといい、土日には400人ほど来店するそうですが…。

小沼拓也さん 「50~100人くらいは影響あるのでは。海を楽しみにしている客もいると思うので、自然現象で難しいところもあるが海開きしてもらいたい」

 なぜ砂浜が浸食される事態となったのでしょうか。

茨城県河川課 塩田挙久さん  「海岸への砂の供給量が減っている、1つ大きな要因」

 海岸を管理する茨城県によると、「鉾田海水浴場」がある鹿島灘は那珂川と利根川、2つの川から流れ出た土砂が波に乗って運ばれることで、砂浜が保たれてきました。

 しかし、土砂の量は昔と比べて激減したといいます。

 その要因は河川流域の都市化にありました。

塩田挙久さん 「上流にダムができるとか、都市化が進んで今まで農地だったところがアスファルトに変わって川に土砂が流れにくくなる。河川の中にコンクリートの護岸ができるとか、いろいろ影響があり、川から海に入ってくる土砂の供給量が昔に比べて減ってきている。浸食されている状況」

 2年前にも砂浜侵食により海開きを中止。

 その翌年には砂を海岸に運ぶ工事を行い、海水浴場のオープンにこぎつけたものの、投入した砂が流され、再び砂浜が浸食されました。

 工事には4000万円ほどかかり、毎年、砂を投入するにはコストがかかるといいます。

塩田挙久さん  「永遠に続けるのは長い目で見れば費用対効果は薄い」

■2100年に6割消失?

 こうした“砂浜の消失”は茨城県に限った話ではありません。

 かつて大勢の海水浴客でにぎわっていた秋田県潟上市の海水浴場も年々、砂浜の浸食が進み、砂のほとんどが波に覆いつくされていました。

 全国各地でも砂浜侵食が進み、海開きできない海水浴場が増えています。

 東北大学大学院の有働教授らが推計した研究によると、2100年には日本に存在する砂浜の6割以上が消える恐れがあるといいます。

 失った砂浜を元に戻す方法はあるのでしょうか…。