復元船サン・ファン・バウティスタ号の解体に宮城県が公金を支出するのは違法だとして市民団体が支出の差し止めを求めていた裁判で、仙台地裁は原告の請求を棄却しました。

 この裁判は、石巻市の県慶長使節船ミュージアムにある復元船サン・ファン・バウティスタ号の解体をめぐり、石巻市の市民団体などが村井知事に対し解体に公金を支出しないよう求めています。

 原告の市民団体側は「船の保存が可能だとする専門家の提案を検討しないまま解体費用を支出するのは、裁量権の範囲を逸脱・濫用していて違法」などと主張し、県側は請求の棄却を求めていました。

 27日の判決で仙台地裁は「有識者らによる検討委員会の提言などを踏まえて県が修復保存断念を決め、解体契約を締結しており、裁量権の範囲を逸脱・濫用したものとは認められない」などとして原告の請求を棄却しました。

 原告側は「著しく不当な判決と言わざるを得ない。弁護団と相談のうえ控訴するか決めたい」としています。

 なお、2021年11月から始まったサン・ファン号の解体工事は7月に終了していて、今後は4分の1サイズの繊維強化プラスチックで復元される予定です。