日本銀行は16日、政策金利を0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決めました。約31年ぶりの高い水準となります。

 16日まで2日間開催された日銀の金融政策決定会合で注目されていた政策金利については、現行の0.75%程度から1.0%程度に引き上げることが決まりました。

 利上げは約1年半ぶりで、1%台となるのは1995年以来31年ぶりです。なぜこのタイミングで利上げに踏み切ったのか。七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは、物価高騰を背景に挙げます。

 「最近はイラン情勢もあって、原油価格を中心に物価上昇圧力が強まっているといったことを踏まえてですね、金利を上げることによって消費者物価が上がるのを抑えようと」 「海外の金融機関も今まで金利を下げる方向に働いていたのが、それを足止めして場合によっては金利を上げるかもしれないという状況になってきています。そうなってくるとまた日本と海外の金利差が開いて円安、物価上昇の圧力が働きかねないといったことが背景にある」

 中東情勢の悪化による原油やナフサの供給不足が物価高騰を招いていて、アメリカとイランの戦闘終結に向けた覚書の合意は成立しましたが、物価高騰が落ち着くまでは数カ月後かかると言われています。

 金利が上がると物価上昇にブレーキがかかるとされていて、今回はこの効果を重視して日銀が利上げを決めました。

 一方、気になる住宅ローンへの影響ですが七十七リサーチ&コンサルティングの田口首席エコノミストが試算した、金利上昇を加味した住宅ローン返済額のシミュレーションです。

 例えば35年ローンで3500万円を借り入れる際、金利0.75%と1.0%を比べると、1.0%では毎月の返済額で約4000円、35年間のトータルでは約170万円も負担が増える計算です。

 そして、日銀は段階的な利上げを進める方針を取っているため、金利差が生む負担は今後も増える可能性があります。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「言ってみればこれからも金利の上昇は見込まれてますので、住宅ローンの返済が増えるということを家計の収支に織り込んでおくと。それを前提とした家計収支の見直しと場合によっては節約だけではなく、それに見合った収入を増やすための方策といったものも、言ってみれば家計をもう一回見直す機会にするということが必要なのかなと思います」

 利率が変動しない固定金利を選ぶ選択についても聞いてみました。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「実際ですね、変動金利できた人の方が固定した人よりも支払額が安く済んできていると。実際、固定金利を上回るぐらい変動が高くなるというのはですね、もうちょっと1%以上高くならないと逆転しないということもありますので、日銀が1回の利上げでこれだけ苦労してる中で、それだけ上げられるのかということをもって、変動の方が有利だという考え方もあるんだろうと思います」

 金利上昇局面に入った今の日本では、住宅ローン負担は増えていくことが予想されます。一方で田口さんは、給与が上がりやすい局面でもあるとして様々方法で収入を増やしてローン返済に備えることを考えてほしいと話しています。